アストンマーティン・CC100

アストンマーティンCC100：伝説の軌跡を刻んだ100周年記念モデル

アストンマーティンCC100は、2013年、英国の自動車メーカー、アストンマーティンが創業100周年を祝して製作したコンセプトカーです。愛称は「DBR100」。その希少性と圧倒的な存在感は、多くの自動車愛好家の心を掴んで離しません。

誕生と華々しいデビュー

CC100は2013年5月19日、ドイツのニュルブルクリンクで開催されたADACチューリッヒ24時間レースで世界初公開されました。歴史的なサーキットで、華々しいデビューを飾ったのです。イベントでは、北コースをパレードラン。当時アストンマーティンの最高技術責任者であったウルリッヒ・ベッツ博士がステアリングを握り、その雄姿を披露しました。さらに、1959年のニュルブルクリンク1000kmレースで優勝したDBR1も参加。レジェンドドライバー、スターリング・モス卿が再びDBR1を走らせ、往年の栄光を彷彿とさせる感動的なシーンが繰り広げられました。

驚異の性能と洗練されたデザイン

CC100のパフォーマンスは、まさに圧巻。6速シーケンシャルマニュアルトランスミッションと自然吸気V12エンジンを搭載し、最高速度は290km/h (180mph)、0-100km/h加速は4秒以下という驚異的な数値を記録。伝統と革新が融合した、まさにアストンマーティンを象徴する一台と言えるでしょう。

デザイン面では、1959年のル・マン24時間レースで優勝した名車、DBR1を強く意識したスタイルが特徴です。デザイナーのマイルス・ニュルンベルガー氏の手によって、DBR1の流麗なボディラインを現代的に解釈したデザインが実現。アストンマーティンのVHプラットフォームに、カーボンファイバー製のボディを組み合わせることで、軽量化と高い剛性を両立しています。ボディの設計と製造は、アストンマーティン本社のあるゲイドンで行われました。

グッドウッドでの輝き

CC100は、その後もその姿を現し続けました。2013年と2015年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに、それぞれ異なるカラーリングで登場。2013年はシルバーにイエローのライン、2015年はブルーのラインの個体が来場者の目を奪いました。これらのイベントへの参加は、CC100が単なるコンセプトカーではなく、アストンマーティンを象徴する特別な存在であることを改めて証明するものでした。

稀少な存在

CC100は、わずか2台のみが製造され、両車とも既にオーナーの元に渡っています。そのため、その実車を目にする機会は非常に稀少です。アストンマーティンの歴史と技術力の粋を集めたCC100は、今後ますます伝説的な存在となっていくことでしょう。

まとめ

アストンマーティンCC100は、単なる記念モデルではなく、アストンマーティンの歴史、技術力、そして未来へのビジョンを凝縮した、まさに究極のコンセプトカーと言えるでしょう。その稀少性、圧倒的なパフォーマンス、そして美しいデザインは、これからも多くの自動車ファンを魅了し続けることでしょう。

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