アスベル・キプロプ

アスベル・キプロプのプロフィールと経歴

アスベル・キプロプ（Asbel Kipruto Kiprop）は、1989年6月30日に誕生したケニアの著名な陸上競技選手です。彼は主に1500mを専門とし、中距離走において数々の記録を打ち立てています。キプロプはリフトバレー州ウアシンギシュ県に生まれ育ち、若い頃から陸上競技に情熱を注いできました。

特に彼の名の「アスベル」は「断固たる」を意味すると言われており、彼自身の競技に対する姿勢を反映しています。父のデイヴィッド・ケベネイは1987年のアフリカ競技大会で1500mの競技者として4位に入賞した経歴を持ち、弟のヴィクトル・キプチルチル・ケベネイも陸上選手という家庭でした。キプロプはシマト初等学校で学び始めた13歳から陸上に取り組み始めました。彼は陸上に専念するため、高校を中退することを決意しました。

キプロプは2006年にエルドレット近郊の標高2,000mを超える高地にある「キプチョゲ・ケイノ・ハイ・パフォーマンス・トレーニング・キャンプ」に参加し、練習を重ねています。この施設は数多くのトップアスリートを輩出しており、彼の成長に大きく寄与しました。

経歴と成績

2007年、キプロプは大きな飛躍を遂げた年でした。彼は3月に開催された世界クロスカントリー選手権ジュニアで優勝し、7月にはアフリカ競技大会で1500mの金メダルを獲得。その後、大阪で行われた2007年世界陸上選手権1500mでは、堂々の自己記録を更新し4位に入賞。これらの成果が認められ、同年のケニア最優秀スポーツ選手賞で最優秀新人部門を受賞しました。

彼のキャリアの中で特に注目すべきは、2008年北京オリンピックです。彼は400mをリードし、レースを展開しますが、スパートをかけたラシド・ラムジにわずかに抜かれ、金メダルを逃しました。しかし、ラムジが薬物検査で失格となり、キプロプは2009年に正式に金メダルを授与されました。この時、彼は表彰台上でケニア国歌を聴けなかったことを悔しがりながらも、同時にドーピング違反に対する悲しみを語りました。

その後もキプロプは数々の大会で活躍しました。2010年にはアフリカ陸上競技選手権大会1500mで大会新記録を樹立し、IAAFダイヤモンドリーグでは複数の勝利を収めました。2011年の世界陸上選手権大会では、ライバルのサイラス・キプラガトを破って初めて金メダルを手にしました。

2012年にはロンドンオリンピックに出場しましたが、決勝ではハムストリングを痛め、12位に終わりました。しかし、彼は2013年にモナコで行われたヘラクレス1500mで世界歴代4位の記録を樹立し、同年の世界陸上で2大会連続金メダルを獲得するという偉業を達成しました。

まとめ

アスベル・キプロプは、彼の経歴が教えるように、努力と才能によって陸上競技界で名を馳せた選手です。彼の人生は、スポーツに対する情熱、家族の支え、そして高地トレーニングから培った技術の結晶であると言えるでしょう。今後の彼の活躍にも期待が寄せられています。

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