アスワド

アスワド（Aswad）は、1975年にイギリスで産声を上げたレゲエグループです。彼らの音楽性は、リズム・アンド・ブルースやソウルミュージックからの強い影響を特徴としており、レゲエを基盤としながらも多様なサウンドを取り入れ、幅広いリスナーを魅了してきました。これまでに通算21枚のアルバムを発表しています。

経歴

バンドは、ノッティング・ヒル暴動で知られるロンドンのノッティング・ヒル地区で1975年に生まれました。この地域には、第二次世界大戦後にイギリスへ移住してきたアフロ・カリブ系の人々が多く住んでおり、アスワドの主なメンバーも、そうした移民の二世世代として育ちました。結成時のオリジナルメンバーは、ブリンズレー・フォード、ジョージ・オバーン、ドラミー・ゼブ、ドナルド・グリフィスの4人です。「アスワド（Aswad）」というバンド名は、アラビア語で「黒」を意味しており、彼らのアイデンティティを表現しています。

音楽性の変遷

結成から1980年代にかけて、アスワドは社会への力強いメッセージを込めたルーツロックレゲエを展開しました。ノッティング・ヒル暴動に触発された楽曲『Three Babylon』などは、この時期の代表例です。しかし、イギリスの社会状況の変化と歩調を合わせるかのように、彼らのサウンドはよりポップな色彩を帯びるようになります。特に1990年代以降は、現代的なソウルミュージック寄りのスタイルへと変化していきました。この音楽性の変化は、彼らが時代に合わせて進化し続けた証と言えるでしょう。

ディスコグラフィ

以下は、彼らがこれまでに発表した主なアルバムです。

1976年: Aswad (Mango Records)
1978年: Hulet (Mango Records)
1981年: New Chapter (Columbia Records)
1981年: Showcase (Mango Records)
1982年: A New Chapter of Dub (Mango Records)
1982年: Not Satisfied (Columbia Records)
1983年: Live and Direct (Mango Records)
1984年: Rebel Souls (Mango Records)
1986年: To the Top (Simba)
1988年: Jah Shaka Meets Aswad in Addis Ababa Studio (Jah Shaka)
1988年: Distant Thunder (Mango Records)
1988年: Renaissance - 20 Crucial Tracks (Stylus)
1989年: Aswad: Crucial Tracks
1990年: Next to You (Alex)
1990年: Too Wicked (Mango Records)
1993年: Firesticks (Alex)
1994年: Rise and Shine (Rhino Entertainment)
1995年: Rise and Shine Again! (Mesa)
1995年: Dub: The Next Frontier (Mesa)
1997年: Big Up (Atlantic Records)
1999年: Roots Revival (Ark 21)
2002年: Cool Summer Reggae

アスワドは、その長きにわたる活動期間を通じて、レゲエミュージックの可能性を広げ、多くの人々に影響を与え続けています。

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