アゼルバイジャン共和国軍

アゼルバイジャン共和国軍は、アゼルバイジャンの独立を守るための国軍です。総兵力は約12万6千人で、60万人を動員できる潜在力を持っています。軍事費はGDPの5%以上を占めており、国防に力を入れていることがわかります。

歴史

アゼルバイジャン軍の歴史は、ソ連崩壊後のナゴルノ・カラバフ戦争に端を発します。1991年に正規軍の創設が決定されましたが、実際に発足したのは1993年末でした。1998年からは、軍創設記念日が祝われています。

組織

軍は、陸軍、海軍、空軍の三軍と、大統領警護隊で構成されています。陸軍が中心的な役割を果たしており、空軍は防空軍を含みます。海軍はカスピ海における防衛を担っています。

陸軍
空軍（防空軍を含む）
海軍
国家親衛隊

軍の統制は、国防省と参謀本部が行っています。徴兵制度はまだ残っており、職業軍人への移行は道半ばです。徴兵期間は18ヶ月（大卒者は12ヶ月）で、除隊後には3ヶ月の補充訓練があります。

教育制度

将校の教育は、バクーにある高等軍事学校や、トルコの支援で設立された教育センター「ガラ」で行われています。軍医は、国防省医科アカデミーで専門的な教育を受けます。また、NATOの「平和のためのパートナーシップ」の一環として、ハンガリー、ルーマニア、パキスタン、アメリカ、トルコなどへ留学生を派遣し、特殊部隊の訓練はトルコの支援を受けています。戦闘機パイロットの訓練センターも開設され、ウクライナ空軍の教官が指導にあたっています。

国際協力

アゼルバイジャンは、1994年に「平和のためのパートナーシップ」に加盟し、NATOとの協力を深めています。特に、部隊統制の近代化、軍事法令の改正、NATO標準の武器・機材の導入に重点を置いています。また、国連の平和維持活動にも参加しており、コソボ、アフガニスタン、イラクへ部隊を派遣しています。

準軍隊

正規軍以外にも、内務省国内軍、国家国境庁国境軍、非常事態省沿岸警備隊、国家保安省の特殊部隊、国防省の特殊部隊などがあります。

アゼルバイジャン軍は、周辺国との関係や国際情勢を考慮しながら、自国の安全保障を確立するために、軍事力の強化と国際協力の推進に努めています。

関連項目
ナゴルノ・カラバフ戦争
2020年ナゴルノ・カラバフ紛争

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