アソム人民会議

アソム人民会議（アソムじんみんかいぎ）

アソム人民会議は、インドにおいてアッサム州を拠点とする地方政党です。1979年から1985年にかけての反外国人運動を率いたアッサム学生連合及び全アッサム人民闘争会議の指導者たちによって、1985年に設立されました。これらの背景から、当党は主にアッサム州内での移民問題やムスリム住民の脅威を強調しており、不法移民の国外退去を求める姿勢を持っています。

歴史的な変遷

アソム人民会議は、設立後まもなく1985年のアッサム州議会選挙で勝利し、その政治基盤を確立しました。この成功に続き、1996年にも州議会選挙において優勢を見せ、州政権を担当しました。しかし、2001年の選挙ではインド人民党との連携がうまくいかず、国民会議派に敗北。その後も若干の議席を保持しましたが、2011年の選挙では大幅に議席を減らし、党首のチャンドラ・モハン・パトワーリーが落選したことで党は深刻な危機に直面しました。この結果、党内の再編が進み、プラフラ・クマール・マハンタが新たな党首として選ばれました。

近年、アソム人民会議は連邦レベルでも厳しい立場にあり、2004年の総選挙で何とか2議席を獲得したものの、以降の選挙では成果が振るわず、2014年の連邦下院選挙ではアッサム州での議席を完全に失ってしまいました。これによりマハンタは党首を辞任し、アトゥール・ボラが後任に就任しました。

政策と政治手法

この政党は、移民問題に特に注力し、ムスリムに対する警戒感を表明していることが特徴です。また、他の政党との差別化を図るために、アッサム州の利益を擁護する政策を掲げています。特に全国水路網への反対や地元民の公職雇用の優先などが挙げられます。しかし、党内の分裂や選挙戦略の失敗により、インド人民党に対する票を奪われ続けている状況です。

さらに、アッサム州の総人口に占めるムスリムの割合が25％を超えており、特定の地域では過半数をも超えるなど、該当政策を維持することが厳しくなっています。このような状況の中で、アソム人民会議は全インド統一民主戦線に対抗するための戦略を模索しており、党としての立場をどう確立していくかが課題となっています。

総括

アソム人民会議の成り立ちやその歴史は、アッサム州における移民問題の複雑さを映し出しています。設立当初の勢いからは遠く及ばない状況が続いていますが、地方政治において未だ重要な役割を果たしていることは間違いありません。今後の政治情勢や選挙戦略がこの政党の運命をどのように左右するのか、引き続き注視する必要があります。

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