アタック・ナンバーハーフ

『アタック・ナンバーハーフ』（原題: สตรีเหล็ก, Satree-Lex、英題: The Iron Ladies）は、2000年に製作されたタイのコメディ映画です。タイで実際に存在したKathoey（ゲイやトランスジェンダー）のバレーボールチーム「サトリーレック」（＝鋼鉄の淑女）が、社会の差別や偏見を乗り越えて大会で勝利を掴むまでを描いた、実話を基にした作品です。

邦題は、人気アニメ『アタックNo.1』からインスパイアされており、原作者である浦野千賀子氏の承諾を得て名付けられました。

2002年には続編となる『アタック・ナンバーハーフ2 全員集合!』が製作され、さらに2014年には『アタック・ナンバーハーフ・デラックス』が製作されるなど、シリーズとして展開されています。

ストーリー

物語は、タイの国体出場を目指すバレーボール選手のジュンとモンが、ゲイの異性装者であるという理由から、チーム内で蔑まれ、地区選抜にすら出場させてもらえないという状況から始まります。

そんな中、新たに女性コーチが就任します。しかし、彼女自身もまた性的少数者であるという理由で、社会からの差別と偏見に苦しめられてきた過去を持っていました。

ジュンとモンは、同じように疎外感を抱える友人たちを誘い、前代未聞のバレーボールチームを結成することを決意します。彼らはそれぞれの個性と才能を活かし、困難を乗り越えながら、夢に向かって突き進んでいきます。

キャスト

チャイ：ジェッダーポーン・ポンディー（声：花輪英司）
モン：サハーパープ・ウィーラカーミン（声：成田剣）
ウィット：エーカチャイ・ブーラナパーニット（声：成瀬誠）
ノン：ジョージョー・マイオークチィ（声：松本大）
ジュン：チャイチャーン・ニムプーンサワット（声：山口勝平）
ピア：ゴッゴーン・ベンジャーティグーン（声：天田真人）
ビー監督：シリタナー・ホンソーポン（声：田中真弓）
エイプリル：プロマシット・シッティジャムロゥンクン（声：後藤史彦）
メイ：シッティポン・シッティジャムロゥンクン（声：佐藤晴男）
ジューン：アヌチャー・ジャゲーオ（声：坂口候一）

受賞

ベルリン国際映画祭 - Siegessäule読者賞
トロント国際映画祭 - ディスカバリー賞 第2位
ダブリン・ゲイ&レズビアン映画祭 - 観客賞
ニューヨーク・レズビアン&ゲイ映画祭 - 観客賞
サンフランシスコ国際レズビアン&ゲイ映画祭 - 観客賞

など、数々の映画祭で賞を受賞しています。

関連情報

ふうらい シネマ情報
アタック・ナンバーハーフ - allcinema
アタック・ナンバーハーフ - KINENOTE
* Satree-Lex - IMDb（英語）

この映画は、性的マイノリティに対する差別や偏見といった社会問題を扱いながらも、それを乗り越えて夢を追いかける人々の姿を、明るくコミカルに描いています。スポ根要素も含まれており、観る人に勇気と感動を与えてくれる作品です。

もう一度検索