アッティラ・シハー

アッティラ・シハー（Attila Csihar、1971年3月29日 - ）は、ハンガリー・ブダペスト出身のヘヴィメタル・ミュージシャンです。主にブラックメタルの分野で活動し、その独特なボーカルスタイルで知られています。特に、ノルウェーのブラックメタルバンド、メイヘム (Mayhem) のボーカリストとしての活動が著名で、彼のオペラティックとも評されるボーカルは、メイヘムの音楽に深みを与えています。

初期の活動とメイヘムへの参加

1985年、アッティラはハンガリーのブラックメタルバンド、トーメンター (Tormentor) でキャリアをスタートさせました。ボーカリスト兼ギタリストとして活動し、デモテープ『Anno Domini』をリリースしましたが、1991年にバンドは解散しました。しかし、トーメンターでの活動を通じて、彼はノルウェーのメイヘムと繋がりを持つようになります。メイヘムは、ボーカリストだったデッド (Dead) の自殺後、後任のセッション・ボーカリストを探しており、アッティラに白羽の矢が立ちました。こうして彼は、メイヘムの1stアルバム『De Mysteriis Dom Sathanas』に参加することになりました。

多岐にわたる音楽活動

メイヘムへの参加後、アッティラはプラズマ・プール、アボリム、コログなど、様々なバンドで活動を展開しました。また、ハンガリーではロック・オペラ『ジーザス・クライスト・スーパースター』にカイアファ役で出演するなど、音楽的な幅広さを見せています。さらに、再結成したキープ・オヴ・カレシンにも短期間在籍していました。

アメリカのドゥームメタル/ドローンメタルバンド、Sunn O))) (サン) の活動も彼のキャリアにおいて重要な位置を占めています。アッティラはSunn O)))の影のメンバーとして、5枚のフルアルバムに参加し、世界を巡るツアーにも同行しました。特に、Sunn O)))の最も成功したアルバムとされる『Monoliths & Dimensions』では、彼のボーカルが際立っています。

メイヘムへの正式加入とその後

2004年、アッティラはマニアックの脱退を受けて、メイヘムに正式加入しました。1992年の1stアルバムのレコーディング参加から12年の歳月を経ての正式加入となりました。加入当初、メイヘムは不安定な状態にありましたが、アッティラの加入後、徐々に活動を再開し、2007年には4thアルバム『Ordo Ad Chao』をリリースしました。このアルバムは、ノルウェーのグラミー賞であるSpellemannprisenを受賞し、ワールドツアーも成功させました。

その他のプロジェクトとコラボレーション

アッティラは、Sunn O)))のメンバーであるグレッグ・アンダーソン、オーレン・アンバーチと共にベリアル・チェンバー・トリオというプロジェクトも始動させています。また、Sunn O)))のスティーヴン・オマリー、オーレン・アンバーチとのグレイヴテンプルでも活動しています。

2008年11月には、ソロ・プロジェクト、Void ov Voicesを始動させました。このプロジェクトは、ウルヴェルなどのバンドのサポートアクトとしても活動しています。

アッティラは、ディセクション、エンペラー、トーケ、ウルヴェル、カレント93、Jarboe、Toby Knapp、Banks Violette、Nader Sadekなど、数多くのアーティストとのコラボレーションも行っています。

映画業界での活動

音楽活動以外にも、アッティラは映画製作所で働いていた時期があります。トニー・スコット監督の映画『スパイ・ゲーム』では、プロダクション・デザイナーのノリス・スペンサーのアシスタントを務めました。

アッティラ・シハーは、その多才な才能と音楽性で、ヘヴィメタル界に大きな影響を与え続けています。

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