アップストリーム (ソフトウェア開発)

アップストリームとは

アップストリーム（英: upstream）は、ソフトウェア開発の文脈で、ソースコードをその元の作成者や保守者に配布するプロセスを指します。このプロセスは、ソフトウェアの機能追加やバグ修正を行う際に重要な役割を果たします。具体的には、アップストリームに配布されるものには、元の作成者が基にしてリリースした新しいバージョン、バグ修正、パッチなどが含まれることがあります。

アップストリームの重要性

アップストリームに送信されたパッチは、元の作成者や保守者、つまりソフトウェアを管理しているチームに届けられます。これらのパッチが承認されると、作成者や保守者はそれをソフトウェアに組み込むことが可能です。この承認を受けた結果、次回のリリースにこの修正が含まれることになります。逆に、提案されたパッチが拒否される場合は、開発者は自分自身の方法でソフトウェアを配布し続ける必要があります。

アップストリームリポジトリ

アップストリームリポジトリやソースコードのディストリビューションバージョンは、ソースコードが特定のバージョンタグやコミットに基づいてパッケージ化されたものです。すべてのアップストリームパッチがマージされない場合、カスタムディストリビューション（たとえばフォークや特定のバージョンのカスタマイズなど）は、本来のソフトウェアとは異なるバグ修正や改善を行っていないこともあります。このような場合、カスタムディストリビューションは、それを使用しているユーザーの特定の要件に基づいてカスタマイズされることが一般的です。

他のディストリビューションとの関係

アップストリームにおける開発は、他のディストリビューションが将来的にリリースを受け取ったり、最新のアップストリームパッチをマージしたりする際に利益をもたらす仕組みとなっています。また、元の作成者にとっても、ユーザーがアップストリームにパッチを送ることで、カスタムディストリビューションからの貢献を受けることができます。

バグの責任

アップストリームにおける用語は、バグの責任にも関連しています。バグの原因が、ディストリビューションの移植やアップストリーム以外での変更によって生じていない場合、その責任はアップストリームにあるとされます。このことは、ソフトウェアの保守や更新を行う上での重要な要素となります。

関連項目

• - バックポート: 既存のソフトウェアに新機能や修正を後から追加すること。
• - ダウンストリーム: アップストリームから派生したソフトウェアのバージョン。
• - フォーク: オリジナルのプロジェクトから分岐し、新しいプロジェクトとして開発を続けること。

このように、アップストリームはソフトウェア開発において重要な役割を果たしており、開発者や利用者との間での協力が、新しい機能や修正版の誕生につながっています。

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