アティテュード (雑誌)

ゲイ向けライフスタイル雑誌『アティテュード』：世界に影響を与える媒体

『アティテュード』は、1994年5月にイギリスで創刊されたゲイ男性向けのライフスタイル雑誌です。当初はイギリス国内で発行されていましたが、現在では世界各国で広く読まれており、iPadやiPhone、Androidなど、デジタルプラットフォームでも展開されています。タイ、ベルギー、オランダなどでも地域版が発行され、グローバルな影響力を持ちます。

所有権と発展の歴史

創刊以来、何度か所有者が変わりましたが、2016年9月にストリーム・パブリッシング・リミテッドが買収し、現在に至っています。同社は『アティテュード』の商標を活用したアティテュード・アワードも開催しており、雑誌のブランド力を高める活動にも力を入れています。2013年には、別のゲイ向け高級ライフスタイル雑誌『Wing』の発行権も取得し、事業の拡大を図っています。

多彩な内容と著名人の参加

『アティテュード』は、同性愛者だけでなく、異性愛者の著名人も表紙を飾ることで知られています。2017年1月までに約280号が発行され、300名以上の著名人が表紙に登場。その半数以上がLGBTQ+の著名人です。

政治家との関わりも深く、2005年には当時首相だったトニー・ブレア氏が、選挙前日に初めてゲイ雑誌のインタビューに応じました。首相がゲイ雑誌のインタビューを受けるのは史上初であり、大きな話題となりました。その後も、2009年には創刊15周年を記念して再度インタビューに応じ、ローマ教皇の同性愛者に対する姿勢を批判するなど、強いメッセージを発信しています。

他にも、デーヴィッド・キャメロン元保守党党首、ウィリアム王子など、著名な政治家が表紙を飾り、インタビューに答えています。ウィリアム王子はイギリス王室で初めてゲイ向け雑誌の単独表紙を飾り、LGBTQ+の若者たちのメンタルヘルス問題に光を当てた特集は世界中で大きな注目を集めました。

著名な俳優、歌手、スポーツ選手なども多く参加しており、ダニエル・ラドクリフ、エルトン・ジョン、デビッド・ベッカムなど、多様な分野の著名人が雑誌を彩っています。寄稿者にも、ジュリー・バーチル、ボーイ・ジョージ、ラッセル・T・デイヴィスなど、多くの著名人が名を連ねています。

高い評価と発行部数

『アティテュード』は高い評価を得ており、2005年には元編集者のアダム・マッテラ氏が、男性誌部門の年間最優秀編集者賞を受賞。ゲイ雑誌の編集者がこの賞を受賞したのは初めてのことでした。

発行部数については、デジタル版の発行部数が2013年7月～12月で9,966冊と報告されています。他のゲイ雑誌の発行部数データは公開されていませんが、『アティテュード』は、同分野で最高の売上高を誇ると評価されています。

国際展開と地域版

『アティテュード』はイギリス発の雑誌ですが、タイ版など、複数の地域版を発行しています。タイ版では、タイの著名人を積極的に取り上げ、タイのLGBTQ+コミュニティに大きな影響を与えました。

まとめ

『アティテュード』は、ゲイ男性のライフスタイルを反映するだけでなく、LGBTQ+の権利擁護、社会問題への啓発など、多岐にわたる活動を展開する影響力のある媒体です。デジタル化への対応や国際展開など、時代の変化に対応しながら、今後も世界中で注目される雑誌であり続けるでしょう。

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