アディショナルタイム

アディショナルタイムとは

アディショナルタイム（英: Additional Time）は、サッカーにおける用語で、試合の前半および後半の規定時間終了後に追加される時間を指します。この時間は、試合中に発生した空費の時間に基づいて主審の裁量により決定されます。

アディショナルタイムの意義

試合中の空費時間に対処するために設けられたアディショナルタイムは、競技者の交代や負傷者の治療、VAR（ビデオアシスタントレフェリー）チェック、カードの提示など、様々な理由で発生します。これらの状況が試合の公平性を損なう可能性があるため、アディショナルタイムを設けて調整を行うことが狙いとされています。ただし、スローインやフリーキックなどの通常のプレー中断はアディショナルタイムには含まれません。

アディショナルタイムの計算

具体的に、アディショナルタイムが2分と示された場合、試合はその2分間のいずれかのタイミングで終了します。試合が終了するのは2分00秒から2分59秒の間で、場合によってはより早く終わることもあります。特にメジャーリーグサッカーでは、過去に時計を停止する「カウントダウン方式」を採用していましたが、試合時間が長くなる問題や時間かせぎの行動を助長する懸念から、現在の方法が採用されています。

アディショナルタイムの歴史

20世紀の終盤までは、アディショナルタイムは主審のみに周知され、観客や選手には知らされませんでした。しかし、1998年のFIFAワールドカップからは、アディショナルタイムが1分単位で場内に表示されるようになりました。この変更は、一部の試合で不十分なアディショナルタイムに対するファンの不満を受けて流れたものでした。

さらに、2022年のワールドカップでは、VARの確認時間や負傷者による中断時間、ゴール後の祝福するための時間などがアディショナルタイムに加算されるようになり、長いロスタイムが頻繁に見られるようになりました。

用語の統一

日本では2000年代までは「ロスタイム」と呼ばれていましたが、現在は「アディショナルタイム」に統一されています。これに伴い、日本サッカー協会も「空費された時間」としてこの用語を正式に使用する決定をしています。それにより、メディアでもこの名称が一般化し、スカパー!やNHKの中継でも「アディショナルタイム」が使われるようになっています。ただし、中には「追加時間」と表現するアナウンサーもいます。

記録の扱い

アディショナルタイムに記録される得点や警告についても、国際的な基準に合わせて、2010年以降はその時間をきちんと加算して表示することに変更されました。これにより、今までのルールに基づいた時間ではなく、アディショナルタイム相当分が加味され、プレーの管理がより正確になっています。

スポーツにおけるアディショナルタイム

アディショナルタイムに関連した注目すべき試合には、「ドーハの悲劇」や「パリの悲劇」などがあります。これらの試合は、アディショナルタイムの影響で劇的な結果が生まれたため、サッカーにおける特別な意味を持つ出来事として語られています。これらの局面は、試合の展開を一変させる可能性があり、サッカーの魅力のひとつとも言えるでしょう。

アディショナルタイムは、サッカーにおいて試合の公平性を保ち、競技の展開を豊かにする重要な要素です。

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