アトラス (彫刻)

ロックフェラー・センターの象徴、アトラス像

ニューヨーク、マンハッタンのロックフェラー・センターに位置するアトラス像は、訪れる人々を魅了するブロンズ像です。インターナショナル・ビルの正面中庭に設置され、5番街を挟んでセント・パトリック大聖堂と向かい合っています。

概要

1937年に設置されたこの像は、彫刻家リー・ローリーがルネ・ポール・シャンベランの協力を得て制作しました。ロックフェラー・センター全体の建築様式と同様に、アール・デコ様式が採用されています。像の高さは15フィート (約4.6メートル)、台座を含めた全体の高さは45フィート (約14メートル) に達し、重さは7ショートトン (約6,400キログラム) を誇ります。これは、ロックフェラー・センターにおいて最大の彫刻作品です。

アトラスは、ギリシャ神話に登場する巨人であり、天を肩に担いでいる姿で表現されています。像が支える天球儀の南北軸は、ニューヨーク市から見た北極星の位置を示しています。片方の足を小さな石の台座に乗せ、力強い筋肉を露わにしながら天を支える姿は、見る者に強い印象を与えます。

歴史と象徴

1937年の公開当時、その姿がイタリアの独裁者ムッソリーニに似ていると指摘する声もありました。画家ジェームス・フラッグは、「ムッソリーニがそのように見られたいと思っているように見える」と評しています。その後、この像はオブジェクティビズムの象徴として認識され、アイン・ランドの小説『肩をすくめるアトラス』との関連性も指摘されています。

ポップカルチャーにおけるアトラス像

テレビシリーズ『30 Rock』のほぼ全てのエピソードに登場し、番組の舞台である30ロックフェラー・プラザを描写するシーンで頻繁に映し出されています。

また、多くのレインフォレスト・カフェでは、この像を模したものが設置されています。噴水のある滝の中に、球の赤道を横切るように緑色のネオン文字で「Rescue the Rainforest」と書かれた像は、環境保護のメッセージを発信しています。

アトラス像は、その壮大な姿と歴史的背景、そして様々な文化との関わりを通じて、ニューヨークのランドマークとして、そして芸術作品として、人々に愛され続けています。

参考文献

アトラス（建築）
Atlas (sculpture))

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