アトランティック・クロッシング

『アトランティック・クロッシング』は、ロッド・スチュワートが1975年に発表した6枚目のソロ・アルバムです。ワーナー・ブラザース・レコードへの移籍後初の作品であり、新たな音楽的試みが随所に見られます。

制作の背景

本作は、アメリカでレコーディングが行われ、ブッカー・T&ザ・MG'sのメンバーをはじめとするアメリカのスタジオ・ミュージシャンが多数参加しました。プロデューサーには、トム・ダウドが起用され、以降、スチュワートとの強力なタッグが生まれることになります。

アルバム構成

アルバムはA面（Fast half）とB面（Slow half）に分かれており、それぞれ異なる音楽性が際立っています。A面はロック色の強い楽曲が中心で、スチュワートのエネルギッシュなボーカルが堪能できます。一方、B面はバラード・タイプの楽曲が中心で、彼の表現力豊かな歌声が心に染み渡ります。

収録曲

Side 1
1. スリー・タイム・ルーザー - Three Time Loser
2. オールライト・フォー・アン・アワー - Alright for an Hour
3. オール・イン・ザ・ネーム・オブ・ロックン・ロール - All in the Name of Rock & Roll
4. 明日なきさすらい - Drift Away
5. ストーン・コールド・ソウバー - Stone Cold Sober
Side 2
1. もう話したくない - I Don't Want to Talk About It
2. イッツ・ノット・ザ・スポットライト - It's Not the Spotlight
3. ジス・オールド・ハート・オブ・マイン - This Old Heart of Mine
4. スティル・ラヴ・ユー - Still Love You
5. セイリング - Sailing

ヒット曲

本作からは、「セイリング」（全英1位・全米58位）、「ジス・オールド・ハート・オブ・マイン」（全英4位・全米83位）といったシングル・ヒットが生まれました。特に「セイリング」は、スチュワートの代表曲として広く知られています。また、1977年には、「もう話したくない」と「さびしき丘」の両A面シングルが全英1位を獲得し、アルバムの評価をさらに高めました。

参加ミュージシャン

ロッド・スチュワート - ボーカル
ピート・カー - ギター
スティーヴ・クロッパー - ギター
ジェシ・エド・デイヴィス - ギター
ジミー・ジョンソン - ギター
フレッド・タケット - ギター
デヴィッド・リンドレー - マンドリン、ヴァイオリン
ドナルド・ダック・ダン - ベース
ボブ・グラウブ - ベース
デヴィッド・フッド - ベース
リー・スカラー - ベース
ウィリー・コリア - ドラムス、パーカッション
ロジャー・ホーキンス - ドラムス、パーカッション
アル・ジャクソン - ドラムス、パーカッション
ナイジェル・オルソン - ドラムス、パーカッション
バリー・ベケット - キーボード
アルビー・ガルテン - キーボード
ザ・メンフィス・ホーン - ホーン
シンディ・アンド・ボブ・シンガーズ - バッキング・ボーカル
ザ・ペッツ・アンド・ザ・クラッパーズ - バッキング・ボーカル
アリフ・マーディン - ストリングス・アレンジ(on 6. 10.)
ジェイムズ・ミッチェル - ストリングス・アレンジ(on 8.)

『アトランティック・クロッシング』は、ロッド・スチュワートの音楽キャリアにおける重要なターニング・ポイントとなった作品であり、彼の幅広い音楽性と表現力が凝縮された傑作として、今も多くのファンに愛され続けています。

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