アナと雪の女王 エルサのサプライズ

『アナと雪の女王 エルサのサプライズ』は、2015年に公開された、ディズニーによる『アナと雪の女王』のスピンオフ短編作品です。前作から1年後、アナの誕生日を祝うため、エルサはサプライズ・パーティーを計画します。

物語は、エルサがクリストフとスヴェンの協力を得て、城の中庭をパーティー会場として着々と準備を進める様子から始まります。エルサがアナを起こしに行き、2人は特別なドレスに着替えてサプライズは本格的にスタート。

エルサが仕掛けた赤い糸を辿りながら、城内や街中を冒険するアナとエルサ。しかし、エルサのくしゃみとともに現れる小さな雪だるま、スノーギーズがパーティーを大混乱に陥れます。スノーギーズはいたずら好きで、クリストフや町の人々を振り回します。

アナはエルサと共に、前作で登場した様々な場所を訪れ、数々のプレゼントを受け取ります。そして、ついに2人は時計塔へ辿り着きます。そこでエルサとアナの人形を発見したアナは感激しますが、その直後、エルサが塔から転落しそうになるハプニングが発生。アナはエルサを助けますが、そこでエルサの発熱に気づき、エルサは自分が風邪をひいていることを認め、2人は城へ戻ります。

城門を開けると、そこにはクリストフ、スヴェン、オラフ、そしてスノーギーズたちが待ち構えていました。城下の人々も集まり、アナの誕生日を盛大に祝うパーティーが始まります。

パーティーのクライマックスでは、エルサは女王としての務めを果たそうと、誕生日の角笛を吹きます。しかし、その角笛から巨大な雪玉が発射され、遠く離れたサザンアイルズで馬糞の山を作っていたハンスに命中するという、予想外の事態に。

パーティーの後、エルサは静かにベッドで休んでおり、アナはエルサの看病をしながら幸せな気持ちに浸ります。一方、クリストフとオラフは、スノーギーズをエルサの氷の城へと連れて行き、オラフはスノーギーズそれぞれに名前を付けて、可愛がっています。

本作は、新たなキャラクターであるスノーギーズや、前作のキャラクターたちが織りなす、楽しい物語です。エルサの風邪というユニークな設定と、アナとエルサの姉妹愛が描かれ、観る者の心を温かくする作品となっています。

製作過程では、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであったジョン・ラセターが短編映画の制作を発表。クリス・バックとジェニファー・リーが共同監督を務め、前作のスタッフが再集結しました。エルサの風邪というアイデアは、ストーリーアーティストのマーク・スミスによって提案され、それが本作の基盤となっています。

制作には6ヶ月を要し、『アナと雪の女王』の多くのアニメーターが参加しました。制作期間中は、『ベイマックス』の制作と重なり、タイトなスケジュールの中で制作されたとのことです。この過程で、クリエイターたちは『アナと雪の女王』のキャラクターへの愛着を再確認し、長編続編『アナと雪の女王2』へとつながるアイデアも生まれたと言われています。

本作は、『シンデレラ』と同時上映され、その後、デジタル配信やDVD、Blu-rayでリリースされました。Netflixでも配信されましたが、その後Disney+に移行されています。また、日本ではNHK Eテレで地上波放送もされました。

批評家の評価は様々です。新曲「パーフェクト・デイ ～特別な一日～」は高く評価されましたが、作品全体については賛否両論あります。中には、消費主義的な描写を批判する声もありましたが、一方で、オリジナル作品の世界観を踏襲した、満足できる作品だと評価する声もありました。

『アナと雪の女王 エルサのサプライズ』は、短いながらも、姉妹の絆や友情、そして、少しの騒動が詰まった、心温まる作品です。オリジナル作品を愛する人々、そして、新しいディズニーの短編作品を探している人々に、おすすめの作品です。

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