アナスタシア・リジコフ

アナスタシア・リジコフ（Anastasia Rizikov、1998年12月8日 - ）は、カナダを拠点に活動するクラシック音楽のピアニストです。ロシア系移民としてトロントに生まれました。

わずか5歳でピアノを始めると、彼女の才能は急速に開花します。13歳という若さで難曲として知られるラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を演奏し、その卓越した技量と表現力から「カナダの天才少女」として広く注目を集めました。

世界的な指導者たちのもとで研鑽を積み、セルゲイ・ババヤン、アリエ・ヴァルディといった著名なピアニストや教育者のマスタークラスを受講しました。

リジコフのキャリアを特徴づけるのは、国際コンクールでの目覚ましい活躍です。特に、多くのコンクールで史上最年少での優勝記録を樹立したことは特筆されます。12歳の時には、通常28歳以下を対象としたカテゴリーのコンクールで優勝するという異例の快挙を成し遂げました。その後も、権威ある国際コンクールで次々と第1位を獲得しており、その中には、2011年のパルマ・デ・マヨルカ国際ピアノコンクール「ロータリー」（AAF）、2013年のニューヨーク「ガーシュウィン」国際コンクール [シニア部門]、同年のゴリツィア「ジュリアーノ・ペカール」（AAF）、そして2015年の国際ピアノコンクール・ハエン賞、エットーレ・ポッツォーリ国際ピアノコンクールなどが含まれます。これらの受賞は全て、彼女が当時最年少での優勝者でした。

一方で、全てのコンクールで頂点に立ったわけではなく、いくつかのコンクールでは本選進出を逃したり、2017年のマリア・カナルス・バルセロナ国際音楽演奏コンクールでは第3位となるなど、若き音楽家の成長の過程も示しています。

リジコフは、多数の国内外のオーケストラと共演しており、幅広い演奏活動を展開しています。共演歴のあるオーケストラには、ナショナル・フィルハーモニック交響楽団（ウクライナ）、トロント交響楽団、シンフォニア・トロント、ミシガン・フィルハーモニック管弦楽団など、数多くの著名な団体が含まれます。

録音においても、国際ピアノコンクール・ハエン賞受賞記念リサイタルアルバムをNAXOSからリリースするなど、積極的に取り組んでいます。このアルバムもまた、最年少優勝者による録音として注目を集めました。主な録音には、2011年の「WSKG Sessions」 (WSKG-TV DVD&CD) や、2015年のNAXOSからの「Piano Recital」 (CD) があります。

以下に主要な受賞歴を示します。★印は最年少優勝記録です。

2011年 パルマ・デ・マヨルカ国際ピアノコンクール「ロータリー」 (AAF) 第1位 ★
2013年 ニューヨーク「ガーシュウィン」国際コンクール [シニア部門] グランプリ ★
2013年 ゴリツィア「ジュリアーノ・ペカール」国際コンクール (AAF) 第1位 (同着) ★
2015年 国際ピアノコンクール・ハエン賞 第1位 ★
2015年 エットーレ・ポッツォーリ国際ピアノコンクール 第1位 (同着) ★
2017年 マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽演奏コンクール ピアノ部門 第3位

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