アプロヴェチョ

アプロヴェチョについての紹介

アプロヴェチョは、オレゴン州コテージグローブ近くに拠点を構える2つの非営利組織の名称で、スペイン語の「aprovecho」（日本語で「最善を尽くす」という意味）に由来しています。アプロヴェチョには「持続可能性教育センター」と「研究センター」があり、様々なプロジェクトを通じて持続可能な生活と環境保護に取り組んでいます。

持続可能性教育センターの活動

アプロヴェチョの持続可能性教育センターは、自然を利用して持続可能な生活スキルを学ぶ場です。年に2回、有機農業、適切な技術や持続可能な林業に関する実習を通じて訓練を提供しています。その内容には、地産地消、保存食品作り、自然食品と栄養に関する知識、さらには山菜や野の植物の採取技術、パンや発酵製品の作成、海藻や塩の収穫、種の保存法などが含まれています。これらの活動を通じて、地域の人々が健康で持続可能なライフスタイルを築く手助けを行っています。

アプロヴェチョ研究センターの役割

アプロヴェチョ研究センター（ARC）は、開発途上国での利用を目的とした効率的な調理用ストーブの設計・製作を行っています。特に、バイオマス燃料を使った様々なストーブが開発されており、それにより調理時のエネルギー消費を削減することを目指しています。

ロレイナストーブの試みと教訓

ARCが活動を始めたのは1976年、グアテマラの地震を受けてのことです。当時、6人の技能者が泥と砂を使ったストーブ、ロレイナを発明しました。このストーブは現地の材料を用いて安価に製作でき、煙突があるため室内を汚染しないという特長から人気を博しました。しかし、5年後のテストにおいて、ロレイナストーブが予想以上に燃料を消費する可能性があることが判明しました。

この失敗を受けて、ARCはストーブ設計を見直し、科学者との協力によるさらなるテストを重視する方針を採用しました。改良版には、ロケットストーブ技術を応用した「ロケットロレイナストーブ」も含まれています。

ロケットストーブの革新

ARCは、技術責任者ラリー・ウィニアルスキによるロケットストーブの開発で知られるようになりました。これによって、従来の調理法の効率を大幅に向上させることができ、クリーンな燃焼を実現しています。

ストーブ設計の原則

ウィニアルスキが提唱した「ストーブ設計の10原則」は、ストーブの効果を最大化するための指針となっています。これにより、ストーブの性能と効率を高め、調理にかかる燃料を削減することが可能となります。

現在の取り組み

現在、ARCはストーブ設計と試験手法をオープンソースとして公開し、誰でもアクセスできるようにすることを目指しています。また、他のプロジェクトとの協力を通じて、持続可能な調理技術の発展にも貢献しています。

国際機関との協力

世界中で多くの人々が未だに薪や木炭で調理を行い、その結果、環境問題や健康リスクが発生しています。ARCは、その解決策として、国際連合世界食糧計画から注目を受けており、共同でプロジェクトを推進しています。

受賞歴

そして、2006年、ARCは南部アフリカでのバイオマスエネルギー資源節減プログラムによりAshden Awardを受賞しました。さらに、2009年には発展途上国へのストーブの量産に成功し、再度受賞の栄誉を得ています。

アプロヴェチョは、持続可能な未来に向けての知恵と技術の革新を進め、環境と人々の生活の質を向上させるための活動を展開しています。

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