アポストロフィ (')

アルバム『アポストロフィ (')』の詳細

『アポストロフィ (')』は、フランク・ザッパが1974年に発表した注目のアルバムです。この作品は、前作『オーヴァーナイト・センセーション』からさらに進化した内容となっており、ザッパ自身のボーカルが大きくフィーチャーされています。特筆すべきは、ザッパがこのアルバムを通じて初めて『ビルボード』のアルバムチャートのトップ10に達したことです。これは、彼の音楽キャリアの重要なマイルストーンと言えるでしょう。

アルバムの冒頭には、曲間がない4曲のメドレーが収録されており、聴く者を一気に引き込む構成がなされています。中でも「ドント・イート・ジ・イエロー・スノー」と「ナヌーク・ラブズ・イット」の連作は、ナヌークというエスキモーの物語を描き、ユーモア溢れる視点で展開されます。この「ドント・イート・ジ・イエロー・スノー」は、ピッツバーグのラジオ局のDJによってノヴェルティ・レコードとして紹介され、地元でのヒットを記録。最終的には全米で86位に達するヒットシングルとなりました。

アルバムタイトル曲「アポストロフィ (')」には、ジャック・ブルースとジム・ゴードンが参加しており、トリオ編成での録音が施されています。この楽曲は、ジャック・ブルースのCDボックス・セット『Can You Follow?』（2008年）にも収録され、アルバムの中で特にファンに愛されています。

アルバムのリリースにあたり、ステレオ・ミックス版と4chミックス版の2つのバージョンが用意されました。1986年に初めてCD化されて以来、1995年にはザッパの最終承認版として再リリースされました。また、1996年にRYKODISCが手がけたAu20版では、ステレオ・ミックス・マスターが採用されるなど、リリースが重なるごとにマスター音源の更新が行われました。特に日本での2001年の紙ジャケット仕様版では1995年版のマスターが使用され、長年にわたりファンの記憶に残る作品として評価されています。

収録曲リスト

1. ドント・イート・ジ・イエロー・スノー (Don't Eat the Yellow Snow) - 2:07
2. ナヌーク・ラブズ・イット (Nanook Rubs It) - 4:38
3. セント・アルフォンソズ・パンケイク・ブレックファスト (St. Alfonzo's Pancake Breakfast) - 1:50
4. ファーザー・オブリヴィオン (Father O'blivion) - 2:18
5. コズミック・デブリス (Cosmik Debris) - 4:14
6. エキセントリフューガル・フォルツ (Excentrifugal Forz) - 1:33
7. アポストロフィ (') - 5:50
8. アンクル・リーマス (Uncle Remus) - 2:44
9. スティンク・フット (Stink-Foot) - 6:33

参加ミュージシャン

本アルバムには多くの優れたミュージシャンが参加しています。主なメンバーは以下の通りです。

• - フランク・ザッパ - ボーカル、ギター、ベース
• - ジャック・ブルース - ベース
• - ジム・ゴードン - ドラムス
• - ジョージ・デューク - キーボード、バッキング・ボーカル
• - トニー・デュラン - リズムギター (on 7.)
• - その他、多数のバッキング・ボーカルや楽器演奏者が参加。

このように『アポストロフィ (')』は、フランク・ザッパの多才な音楽性と彼の個性が光る作品であり、リスナーにとって忘れがたい体験を提供するアルバムとなっています。

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