アポロ (菓子)

アポロチョコレート：日本の定番菓子の50年超の歴史

明治株式会社が1969年8月7日に発売を開始したアポロチョコレートは、きのこの山、たけのこの里と並ぶ同社の代表的なロングセラー商品です。半世紀以上にわたり、多くの人々に愛され続けているこのチョコレート菓子の魅力を探ります。

アポロのデザインとネーミング

アポロチョコレートの特徴的な円錐形は、1969年7月21日のアポロ11号による人類初の月面着陸成功を記念してデザインされました。側面のギザギザも、宇宙船を思わせるデザインです。しかし、明治が「アポロ」という名称を商標登録したのは、月面着陸よりも前の1966年。これは、ギリシャ神話の太陽神アポロンに由来しています。この二つの要素が組み合わさり、アポロチョコレートは独特の個性を放っています。

二層構造とバリエーション

アポロは、下部の広い部分にミルクチョコレート、上部のとがった部分にイチゴチョコレートを使用する二層構造が特徴です。この組み合わせは、シンプルながらも絶妙なバランスで、幅広い年齢層に受け入れられています。製造過程では、まれに上下のチョコレートが逆になった「逆さアポロ」も混入することがあります。これは、製造工程におけるちょっとした「サプライズ」として、愛好家の間では話題になっています。

過去には、イチゴチョコレートをブルーベリーチョコレートに変更した「アポロブルーベリー」も販売されていました。消費者の嗜好の変化に合わせて、新たなフレーバーに挑戦する姿勢もアポロの魅力の一つでしょう。

内容量とジャンボサイズ

アポロの当初の内容量は48gでしたが、カカオ豆の価格高騰などを背景に、2015年4月21日からは46gに変更されました。原材料価格の高騰という難しい問題にも対応しながら、長年にわたって販売を続けている点は高く評価できます。

また、通常のサイズに加えて、ジャンボサイズ（82g）も販売されています。ジャンボサイズには、上部がストロベリーチョコ、下部がミルクチョコレートというアポロの定番スタイルに、ホワイトチョコレートをかけた「赤富士」バージョンも存在します。通常のサイズとは異なる、プレミアム感あふれる商品展開も魅力の一つです。

50周年記念と工場見学

2019年には発売50周年を記念して、「宙アポロ」や復刻パッケージ版などが期間限定で発売されました。これは、長年にわたる愛好家への感謝の気持ちと、新たな商品への挑戦を象徴する取り組みと言えます。

翌2020年には、アポロの誕生秘話や製造工程を見学できる「アポロ見学ライン」が開始されました。埼玉県坂戸市にある明治・坂戸工場で、完全予約制にて開催されています。無料で参加でき、見学後にはアポロのお土産ももらえるという、ファンにとっては嬉しい企画です。

海外進出とハラール認証

2022年には、メイジセイカ・シンガポールにおいてアポロの製造ラインが稼働開始されました。これは、アポロが日本国外でも製造されるようになったことを意味し、グローバルな展開への第一歩と言えるでしょう。また、ハラール認証にも対応した商品の製造も行われており、より幅広い消費者にアポロを届けようとする姿勢が伺えます。

アポロと明治の他の商品

興味深いことに、明治のチョコスナック「きのこの山」は、アポロの製造機械で作れるものとして誕生したと言われています。アポロという存在が、明治の菓子開発において重要な役割を果たしてきたことが分かります。

まとめ

アポロチョコレートは、シンプルながらも奥深い魅力を持つチョコレート菓子です。デザイン、味、内容量、そして企業努力など、様々な側面から見て、ロングセラー商品としての実力を改めて認識させられます。これからも、多くの人々に愛され続けることを期待しています。

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