アマルフィ (装甲巡洋艦)

アマルフィ (Amalfi)

アマルフィは、第一次世界大戦中に活躍したイタリア海軍の艦艇で、ピサ級装甲巡洋艦のひとつです。艦は1905年に起工され、3年後の1908年に進水、1909年に竣工しました。アマルフィは、その名の通り美しいアマルフィ海岸に由来しており、海軍にとってはこだわりの艦艇であったことが伺えます。

第一次世界大戦が勃発すると、アマルフィはヴェネツィアに配備され、戦局に従事することになりました。1915年7月7日、アマルフィは駆逐艦の支援を受ける形で水雷艇2隻を伴い出撃しました。しかし、この出撃は運命を大きく変えるものでした。オーストリア＝ハンガリー帝国の潜水艦U26に遭遇し、雷撃を受けたのです。

実際に攻撃を行ったのはドイツのUB14であり、当時イタリアとドイツは交戦状態にはありませんでした。そのため、U26はオーストリア＝ハンガリー帝国の艦艇だとされました。波乱の渦中、ハイノ・フォン・ハイムブルク中尉が指揮する潜水艦は、アマルフィに対して直撃を与えます。

雷撃を受けたアマルフィは、すぐに左舷側に傾斜し始め、艦長は乗員に対して総員退艦を命じました。命令が下されてから30分も経たないうちに、艦は沈没してしまいました。運の尽きとも言える運命の瞬間を迎えたのです。

アマルフィの沈没に際して、救援に駆けつけた艦艇によって、いくつかの乗員は無事に救助されました。初期報告では200名の戦死者が出たとされましたが、その後の調査で実際には67名の戦死者に留まったことが判明しました。この悲劇的な事件は、当時のイタリア海軍にとって深い影を落とすものであり、アマルフィの喪失は残りの艦艇に強い影響を与えました。

その後、アマルフィの喪失を受けて、ヴェネツィアに配備されていた他の装甲巡洋艦は翌年の大部分の期間、ほとんど出撃することがありませんでした。1916年4月には、装甲巡洋艦の配置が変更され、ヴァロナへ移動する事態に至りました。

このようにアマルフィは、歴史の中で波乱の艦艇として記憶されることになりました。彼女の沈没は、第一次世界大戦の悲惨さを物語る、一つの象徴的な出来事でもあったのです。その歴史を刻み込んだアマルフィは、海軍史の中で語り継がれていくことになるでしょう。

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