アマル・ベニクレフ

アマル・ベニクレフは、1982年1月11日生まれのアルジェリアの柔道家です。身長186cmの体格を活かし、90kg級の選手として国際舞台で活躍しました。

オリンピックでの活躍

ベニクレフは、2004年のアテネオリンピックに81kg級で出場しましたが、初戦で敗退しました。しかし、2008年の北京オリンピックでは90kg級で決勝に進出し、イラクリ・チレキゼ（ジョージア）との接戦の末、惜しくも銀メダルを獲得しました。このメダルは、アルジェリア柔道界にとって大きな功績となりました。

アフリカ選手権での実績

ベニクレフは、アフリカ柔道選手権大会で数々のタイトルを獲得しています。2004年には81kg級で金メダルを獲得し、その後、2006年に90kg級で銅メダル、2008年、2010年、2011年には90kg級で金メダルを獲得しました。2012年にも90kg級で銅メダルを獲得しており、アフリカの柔道界を代表する選手の一人として長年にわたり活躍しました。

その他の戦績

2010年のグランドスラム・パリでは3位に入賞するなど、国際大会でも実績を残しています。これらの功績が認められ、引退後はIJF（国際柔道連盟）の殿堂入りを果たしました。

引退後と東京オリンピックでの騒動

引退後はアルジェリア代表チームのコーチとして後進の指導にあたっていましたが、2021年の東京オリンピックで指導していたフェティ・ヌリンが、対戦相手がイスラエルの選手であるという理由で試合を棄権するという出来事がありました。このヌリンの行動を支持したベニクレフも、IJFからオリンピック憲章違反として10年間の資格停止処分を受けました。この処分により、IJFやその傘下組織が主催する全ての大会や活動への参加が禁止されることになりました。

主な戦績

2004年 - アフリカ選手権　優勝(81kg級)
2006年 - アフリカ選手権　3位(90kg級)
2007年 - アフリカ競技大会　2位(90kg級)
2008年 - アフリカ選手権　優勝(90kg級)
2008年 - 北京オリンピック　2位(90kg級)
2008年 - 嘉納杯　3位(90kg級)
2009年 - 地中海競技大会　3位(100kg級)
2010年 - グランドスラム・パリ　3位(90kg級)
2010年 - アフリカ選手権　優勝(90kg級)
2011年 - アフリカ選手権　優勝(90kg級)
2011年 - ミリタリーワールドゲームズ　3位(90kg級)
2011年 - パンアラブ競技大会　優勝(90kg級)
2012年 - アフリカ選手権　3位(90kg級)
2013年 - アフリカ選手権　3位(90kg級)

アマル・ベニクレフは、選手として輝かしい実績を残すと同時に、指導者としても期待されていましたが、東京オリンピックでの一件は、彼のキャリアに大きな影を落とすこととなりました。

もう一度検索