アメリカンフットボールの反則

アメリカンフットボールにおける主な反則

アメリカンフットボールは激しいコンタクトを伴うスポーツですが、選手の安全を守り、競技の公平性を保つため、様々な反則行為が定められています。ルールの数は多岐にわたりますが、ここでは主要な反則について分類してご紹介します。詳細な規定は各公式ルールブックをご確認ください。

攻撃側の主な反則

スナップ前の反則

ゲームの遅延 (Delay Of Game)
規定時間内にプレーを開始しない、またはタイムアウトがないのに要求した場合の反則です。NFLではタッチダウン後を除くスパイクも含まれます。
フォルス・スタート (False Start)
スナップ前に攻撃選手が、プレー開始と誤解させる動きをすること。守備側は攻撃側の動きを見てスタートを判断するため、これを妨げる行為は反則です。
イリーガル・モーション (Illegal Motion)
スナップ前の選手移動のルール違反。一人だけ特定の条件下で動くことが許されます。
イリーガル・シフト (Illegal Shift)
スナップ前の複数選手によるポジション変更後、1秒以上静止しない場合。
イリーガル・フォーメーション (Illegal Formation)
スナップ時の攻撃フォーメーションが規定に適合しない場合。ライン上の選手数や資格番号にルールがあります。
交代違反 (Illegal Substitution)
規定人数を超える選手がフィールドにいる状態。

プレー中の反則

無資格レシーバーのダウンフィールドへの侵入 (Ineligible Receiver Downfield on Pass)
パスプレーで、無資格選手（主にオフェンスライン）がパスが投げられる前にスクリメージラインから規定距離以上に前進すること。
不正なフォワードパス (Illegal Forward Pass)
ボールキャリアがスクリメージラインを越えてから前方にパスする、または同一プレーで二度以上前方へパスする行為。
パス・インターフェアランス (Pass Interference)
パスが空中にある間に、相手選手のパスキャッチ機会を不当に妨害すること。攻守双方に適用されます。
インテンショナル・グラウンディング (Intentional Grounding)
ロス回避のため、有資格レシーバーがいないエリアに意図的にパスを投げる行為。サック逃れを防ぐルールです。

プレー中のブロックに関する反則

ホールディング (Holding)
ブロック時に相手選手の身体やジャージを掴み、動きを制限する行為。
クリッピング (Clipping)
最初の接触が相手の背後から、腰より下へのブロック。原則禁止です。
背後のブロック (Block In the Back)
相手を背後から、腰より上に接触してブロックする行為。
腰より下のブロック (Block Below the Waist)
相手の足が地面についている状態で、腰より下にブロックする行為。場所や状況により細かく規定されます。
チョップ・ブロック (Chop Block)
二人の攻撃選手が一人に対し、高低差をつけて同時に行う危険なブロック。
トリッピング (Tripping)
足や脚を使って相手選手を倒すブロック行為。

守備側の主な反則

スナップ前の反則

オフサイド (Offside)
スナップ時に守備選手がニュートラルゾーン内にいる、攻撃選手に触れるなど。
エンクローチメント (Encroachment)
スナップ前に守備選手がニュートラルゾーンを越えて攻撃選手に接触する行為。NFLでの名称です。
ニュートラルゾーン・インフラクション (Neutral Zone Infraction)
スナップ前にニュートラルゾーンに侵入し、攻撃選手のフォルススタートを誘発する動き。NFLでの名称です。

プレー中の反則

パス・インターフェランス (Pass Interference)
パスが空中にある間に、守備選手が攻撃選手のパスキャッチ機会を不当に妨害すること。攻撃側の同様の反則と同様です。
イリーガル・コンタクト (Illegal Contact)
NFL独自ルール。スクリメージラインから5ヤード以上先で、パス前に攻撃レシーバーに不当に接触すること。
ホールディング (Holding)
ボールを持っていない攻撃選手を不当に拘束する行為。
ラフィング・ザ・パサー (Roughing the Passer)
パスを投げ終えた後の無防備なクォーターバックに対する乱暴な接触。怪我防止のための保護規定です。
ホースカラータックル (Horse Collar Tackle)
ボールキャリアーの襟首の内側を掴み引き倒す危険なタックル。
イリーガル・フォーメーション (Illegal Formation) - キックプレー時
キックプレー時、ラインの左右どちらかに規定より多くの選手が偏って位置すること。

攻守双方に適用される主な反則

不正な手の使用 (Illegal Use Of Hand)
相手選手に対する手や腕の不適切な使用。不当な拘束や危険な接触など。
パーソナル・ファウル (Personal Foul)
選手の安全を脅かす危険なプレーの総称。15ヤード罰退など重い罰則が科されます。
フェイス・マスク (Facemask)
相手選手のフェイスマスクを掴み、引っ張ったり捻ったりする非常に危険な行為。
ターゲティング (Targeting)
NCAA独自の危険な衝突行為。ヘルメットの頂点からの衝突など。ビデオ判定必須で退場処分もあり得ます。
スポーツマンらしからぬ行為 (Unsportsmanlike Conduct)
審判や相手への暴言、過度なセレブレーションなど、スポーツマンシップに反する行為全般。

スペシャル・チームの反則

フリーキック（キックオフなど）

不正なフォーメーション
キックオフチームの選手配置に関する規定違反。
オフサイド
キックされる前に、キッカー等以外の選手がボールより前方に移動すること。
フリーキックのアウト・オブ・バウンズ
キックされたボールが、相手選手に触れずにサイドラインを割ること。
不正なタッチ
キックされたボールが規定距離進むか、相手選手に触れる前に、キックチーム選手がボールに触れること。

スクリメージ・キック（パント、フィールドゴールなど）カバー側

ラフィング・ザ・キッカー (Roughing the Kicker)
ボールを蹴り終えた後のキッカーに対する乱暴な接触。ホルダーやスナッパーも保護されます。
ランニング・イントゥ・ザ・キッカー (Running Into the Kicker)
ボールを蹴り終えた後のキッカーに対し、乱暴ではないが接触があった場合。

これらの反則規定は、アメリカンフットボールを安全かつ公正にプレイするために重要な要素です。

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