アメリカ合衆国憲法修正第23条

アメリカ合衆国憲法修正第23条とは

アメリカ合衆国憲法修正第23条（第23修正）は、コロンビア特別区の住民がアメリカ合衆国大統領及び副大統領の選挙で選挙人を選出することを認めるものであり、1961年に発効しました。この修正は、意義深い背景を持っています。

背景

1960年当時、コロンビア特別区は全米50州の中で13州を超える人口を抱えながらも、大統領選挙の際の選挙人を選ぶ権利がないという矛盾した状況にありました。コロンビア特別区は、人口に基づいて州と同じように選挙人を選出できるべきという考えから、第23修正が提案されました。

選挙人は、アメリカ合衆国議会に上院議員や下院議員を選出する権限を持つ一方で、コロンビア特別区は最も少ない選挙人を持つワイオミング州の数を下回る制限を受けています。このため、コロンビア特別区は最大でも3名の選挙人しか選出できず、1964年から1980年の大統領選挙では、人口に基づいては4人の選挙人が選出できるはずだったのに、修正の制限により実際には3人に制限されていました。

提案と批准

この修正案は、1960年6月17日にアメリカ合衆国議会によって提案され、その後7年以内に批准されることが求められていました。直後に多数の州がその批准を進め、最終的に1961年3月29日に必要な数の州によって批准が完了し、第23修正として正式に成文化されました。批准に名を連ねた州には、ハワイ州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州などが含まれ、全体で37州がこの修正を支持しました。

修正第23条は、アメリカ合衆国の議会での代表権をコロンビア特別区に与えるものではなく、同区を州とみなすものでもありません。1978年には、選挙人や国会議員を選ぶ権限を与える憲法修正提案もなされたものの、必要な数の州による批准には至らず、成立しませんでした。

修正条項の実効

第23修正が通過したことにより、コロンビア特別区の住民は大統領選挙に参加できることになり、投票権が実質的に拡大されました。しかし、コロンビア特別区は引き続き地方自治体であり、州と異なる権限を持ち続けています。さらに、この修正に対する反応はさまざまで、アーカンソー州は1961年にこの修正を拒否しました。

この条項の成立以後の政治状況は変動しており、コロンビア特別区における選挙権の拡充や州昇格の議論が今も続いています。現在でも、コロンビア特別区の住民はアメリカ合衆国の統治において重要な立場を有しつつ、完全な市民権の獲得に向けた運動が続いています。

まとめ

アメリカ合衆国憲法修正第23条は、コロンビア特別区の住民に大統領選挙人を選出する権利をもたらす重要な歴史的契機となりました。その実施により、コロンビア特別区が政治的な存在として認識されるようになり、選挙権の一部が実行されたのです。

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