アメリカ合衆国憲法修正第24条

アメリカ合衆国憲法修正第24条

アメリカ合衆国憲法修正第24条、通称修正第24条は、連邦政府に関係する選挙において、人頭税や他の税金の支払いを理由に投票権を制限することを禁止する重要な法令です。この修正条項は、1962年に提案され、1964年に批准されたことで施行されました。

人頭税の背景

修正第24条が制定される以前、人頭税はレコンストラクション時代以降、特に南部の11州で、特に黒人の投票権を制限する手段として用いられました。1865年に奴隷が解放されると、元奴隷たちは貧困層に属することが多く、選挙権を持ちながら人頭税を支払えないことで、事実上その権利を奪われてしまう状況が生まれました。最高裁判所は1937年にこの人頭税を問題にし、未納が理由で投票権が剥奪されることを合憲と認定しました。

制定とその過程

1962年3月27日、合衆国上院は修正第24条の提案を77対16の票で可決しました。その後、8月27日には合衆国下院も295対86の票で可決したことにより、修正が提案されたのです。修正条項の成立には、合衆国の4分の3にあたる州の批准が必要で、合衆国議会からの提案後、イリノイ州やニュージャージー州を含む多くの州が批准しました。

繁栄する批准

修正第24条は1964年1月23日に4分の3の州からの批准が完了し、正式に発効しました。当初、バージニア州やアラバマ州などは人頭税を必要条件として残していましたが、本修正条項の施行によって、これら州の連邦選挙においても人頭税未納者が投票権を持つこととなりました。

州選挙の状況

ただし、修正第24条は連邦選挙に関するものであったため、州での投票権制限は直ちには撤廃されませんでした。しかし、1966年に発生した「ハーパー対バージニア州選挙委員会事件」において、最高裁判所は人頭税が憲法修正第14条の平等保護条項に反すると判決を下し、州選挙における人頭税による制限をも違憲としました。これにより、すべての選挙において平等な投票権が保障される道が開かれました。

後の批准や拒絶

修正第24条はその後もいくつかの州で批准され、バージニア州やノースカロライナ州など、批准期限を過ぎた後でも認められています。一方で、ミシシッピ州はこの修正を拒否し、アリゾナ州やアーカンソー州など一部の州は未だ批准していません。

結論

憲法修正第24条は、選挙における公正と平等を担保するための重要な修正であり、アメリカにおける民主主義の根幹を成すものであります。この修正がなければ、多くの人々が依然として不平等な扱いを受け、選挙権すら持てなかったかもしれません。今後も、この重要性を認識し続けることが求められます。

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