アメリカ合衆国憲法修正第26条

アメリカ合衆国憲法修正第26条

アメリカ合衆国憲法修正第26条は、1971年7月1日に正式に批准され、18歳以上の市民に選挙権を認めることを規定しています。この重要な法改正は、特にベトナム戦争の影響を受けて採用され、当時の若者に特権を提供する大きな一歩となりました。さらに、修正第26条は「オレゴン州対ミッチェル事件」における最高裁判所の判決を一部覆すものでした。

背景

18歳以上の市民に選挙権を与える動きは、ドワイト・D・アイゼンハワー、リンドン・ジョンソン、リチャード・ニクソンの各大統領によって支持されていました。1970年には選挙権の年齢を18歳に引き下げる関連法が可決されましたが、オレゴン州とテキサス州での訴訟により、最高裁判所は州の選挙における18歳以上の有権者登録に関する法律を一部違憲としました。このとき、既に4州は21歳未満の市民に選挙権を認めていました。

この時期、連邦議会や州議会は、戦争に従事している若者が選挙権を持たない状況に強い圧力を感じていました。「戦えるだけの年齢、投票できる年齢」というスローガンは、第二次世界大戦時に軍に徴兵される年齢を18歳に下げた背景から生まれました。この考え方は、戦争に参加する資格がある年齢の人々は、政府の選出プロセスに積極的に関与すべきだというものでした。

憲法修正の提案と批准

修正第26条は、1971年3月23日に連邦議会によって各州に提案され、その批准が求められました。この提案には、7年以内に批准することが条件として付けられていました。提案からわずか数カ月の間に、多くの州が迅速に批准に至りました。最初に批准した州はコネチカット州、デラウェア州、ミネソタ州、テネシー州、ワシントン州など全13州でした。

その後も多くの州が相次いで批准し、1971年7月7日には必要な39州の批准が総務局長官によって証明されりました。これにより、修正第26条はアメリカ合衆国憲法の一部として正式に施行されました。修正の迅速な成立は、その時代の社会情勢や若者の政治参加への期待を反映していました。

残る州

修正第26条の批准が完了した後、バージニア州、ワイオミング州、ジョージア州も続いてこの改正を支持しました。しかし、フロリダ州、ケンタッキー州、ミシシッピ州、ネバダ州、ニューメキシコ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、ユタ州の8州は、現在もこの修正条項を批准していません。

このように、アメリカ合衆国憲法修正第26条は、若者たちに政治参加の権利を与える大きな一歩となり、今日でも重要な歴史的意義を持ち続けています。

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