アメリカ図書館協会

アメリカ図書館協会（ALA）について

アメリカ図書館協会（American Library Association, ALA）は、図書館と図書館に関連する教育活動を国際的に推進するために設立された、アメリカ合衆国に本拠を置く団体です。この協会は1876年にペンシルベニア州フィラデルフィアで創設され、1879年には公的な認可を獲得しました。現在、ALAの本部はイリノイ州シカゴに位置しています。次第に成長を重ね、現在の会員数は約64,600名に達しており、図書館分野においては世界で最も古くて大きな協会とされています。

ALAの運営は、選挙制による評議会と理事会によってなされており、個人や団体の加盟資格には特に制限が設けられていません。多くの会員は図書館関連職に就いており、アメリカ国内からの加入が大部分を占めています。外国からの会員は全体の約3.5%程度にとどまります。

ALAの目的と活動

ALAの主な目的の一つは、図書館情報学に関する学士プログラムの認可と監督です。この責任は、同協会の下に設置された認可局が担っています。また、ALAは11の部会（divisions）を設けており、それぞれが特定の図書館サービスや専門領域に特化した活動を行っています。さらに、17の小委員会（round tables）は、より深い関心や話題についての協議を行う場として設けられています。

ALAは、全米の地域支部や学生支部との連携を強化しており、定期的にカンファレンスを開催することで県内の図書館水準を向上させるための活動に参加しています。書籍やメディアに対する賞の授与も行い、著名な賞としてカルデコット・メダルやニューベリー・メダルなどがあります。また、雑誌『アメリカの図書館』（American Libraries）や『ブックリスト』（Booklist）を定期的に発行しています。

政治活動と知的自由

ALAは、図書館や図書館職員に関連する政治的な課題について積極的に発言を行っており、特に「知的自由擁護事務所」（Office for Intellectual Freedom）を通じて個人の情報取得の自由を推進しています。ALAは自由を保障するための「読む自由宣言」や「図書館権利宣言」を設け、特に図書館の所蔵資料の検閲に強く反対しています。

ALAは、アメリカ合衆国の児童保護法や米国愛国者法（USA PATRIOT Act）などに対し、図書館利用者の権利を守るために法廷での活動も行い、連邦政府に対して利用者のプライバシーの侵害を懸念する意見を提出しています。また、著作権に関する問題にも関与し、デジタルミレニアム著作権法（DMCA）の修正や公開情報へのアクセス促進にも取り組んでいます。

カンファレンスと部会の活動

ALAでは、年間を通じて多くのカンファレンスやミーティングが開催されており、特に年次総会（ALA Annual Conference）や冬期ミーティング（ALA Midwinter Meeting）は主要なイベントとされています。年次総会は専門職として最大規模のイベントであり、数万人が参加することもあります。

また、ALAが提供する11の部会はそれぞれ、学校図書館や公共図書館、児童図書館、専門図書館などに特化した活動を展開しています。これらの部会では、専門的な情報交換の場が設けられ、一部会では知的自由や多文化情報交換などのテーマに焦点を当てた活動も行われています。

アメリカ図書館協会は、図書館の権利や自由を擁護し、より良い図書館環境の構築を目指し、今後もさまざまな活動を展開していくことでしょう。

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