アメリカ太平洋陸軍

アメリカ太平洋陸軍について

アメリカ太平洋陸軍（USARPAC）は、インド太平洋地域におけるアメリカ陸軍の主要な部隊で、幅広い担当地域を持つ統合軍構成コマンドです。この部隊の目的は、アメリカインド太平洋軍の司令官を支援し、アラスカ、ハワイ、日本、韓国、そして東南アジアなどを含む広大なエリアを管轄することにあります。特に韓国においては、在韓米軍司令部が2012年から指揮権を有しており、太平洋陸軍はその部隊の人員、装備、訓練を重責をもって監督しています。

また、太平洋陸軍は頻繁にハイチ、キューバ、中東といった地で人道支援任務にも従事します。これは、国際的な災害支援やパートナー国との協力を通じて、地域安定に寄与するための重要な活動なのです。

沿革

この陸軍部隊の歴史は1898年に遡ります。アメリカが太平洋の覇権国家としての地位を確立した時代からのもので、1921年にはフォート・シャフターがハワイ師団の司令部となりました。第二次世界大戦中アメリカが参戦すると、その戦域の司令官のもとに所属し、朝鮮戦争では戦闘部隊や兵站の役割を担いました。さらにベトナム戦争では、南ベトナムに対しても支援を行いました。

戦争が終結すると、太平洋に駐留する戦闘部隊が削減され、統合MILITARY COMMANDへの改編が行われました。1980年以降、太平洋陸軍は西方軍として再編成され、1990年に現在の名称に変更されました。現在の活動としては、様々な人道支援活動や災害救援に注力しており、そのための部隊も派遣しています。

2000年に彼らは陸軍統合軍構成コマンドに改組され、21世紀に入ると2001年の同時多発テロ以降、アメリカの国土防衛においても重要な役割を果たすようになりました。全世界での対テロ作戦にも展開し、様々な地域で活動しています。

司令部の変遷

この部隊はその歴史の中で、様々な名称で呼ばれてきました。1943年から1944年にかけては「US Army Forces, Central Pacific Area」、その後1944年から1969年の間は「US Army Forces, Pacific Ocean Areas」、1945年から1947年までは「US Army Forces, Middle Pacific」として知られました。1947年以降の名称は「US Army, Pacific」であり、1979年から1990年まで「US Army Western Command」、そして1990年以降は「United States Army Pacific」とされています。

現在の任務

アメリカ太平洋陸軍司令官の主要な任務には、合衆国法典第10編第3013条(b)に基づき陸軍長官に対しての責任遂行、インド太平洋軍所属陸軍部隊の管理と指揮、そしてアメリカインド太平洋軍司令官への定期的な報告が含まれています。

現在の太平洋陸軍は以下の部隊から構成されており、特に戦略的な役割を持つ部隊と密接に連携しています。

• - 第8軍
• - 第2歩兵師団
• - 第19戦域支援コマンド
• - 第1軍団
• - 第7歩兵師団
• - 第25歩兵師団
• - 第11空挺師団

加えて、在日米軍とキャンプ座間、各種兵站コマンドや通信部隊もその重要な一翼を担っており、全体として強力な防衛体制を築いています。

このようにアメリカ太平洋陸軍は、広範な地域での陸軍の指揮、管理及び多様な役割を持ちながら、地域の安全保障に貢献しています。

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