アメリカ気象学会

アメリカ気象学会 (AMS) の歴史と活動

アメリカ気象学会 (American Meteorological Society, AMS) は、大気科学、海洋学、水文学といった地球科学の関連分野を専門とする世界有数の学会です。1919年、マサチューセッツ州ブルーヒルズ天文台のチャールズ・フランクリン・ブルックスらによって設立されました。創立当初は、米国陸軍通信隊やアメリカ気象局の職員が中心メンバーとなり、学会の機関紙である『Bulletin of the American Meteorological Society』を発刊しました。この機関紙は当初、アメリカ気象局が発行し、毎月の天候記録を掲載していました。

20世紀の30年代以降、大気科学は目覚ましい発展を遂げました。AMSもその発展に歩調を合わせ、より専門性の高い学術誌の発行を開始します。代表的なものに『Journal of Meteorology』があります。その後、学会の活動は拡大し、現在では世界中から11,000人を超える会員が参加する国際的な学会へと成長しました。本部はマサチューセッツ州ボストンに置かれています。

AMSの出版物

AMSは、気象学とその関連分野の研究成果を広く世界に発信するために、数多くの学術誌を発行しています。これらのジャーナルは、高い学術的水準を維持し、気象学研究の発展に大きく貢献しています。主な出版物には以下のようなものがあります。

Bulletin of the American Meteorological Society
Journal of the Atmospheric Sciences
Journal of Applied Meteorology and Climatology
Journal of Physical Oceanography
Monthly Weather Review
Journal of Atmospheric and Oceanic Technology
Weather and Forecasting
Journal of Climate
Journal of Hydrometeorology
Weather, Climate, and Society
Earth Interactions
Meteorological Monographs

これらの学術誌は、気象学や海洋学、水文学の様々な分野を網羅しており、世界中の研究者から高い評価を得ています。掲載される論文は、気候変動、天気予報、大気汚染、海洋循環など、地球環境に関わる重要なテーマを扱ったものが多く、学術界のみならず、社会全体にとって貴重な情報源となっています。

AMSによる表彰

AMSは、大気科学、海洋学の分野における優れた研究業績を称えるため、数々の表彰を行っています。これらの賞は、分野をリードする研究者にとって大きな名誉であり、今後の研究活動の励みとなります。

特に著名な賞には、以下のものがあります。

カール＝グスタフ・ロスビー研究賞 (Carl-Gustaf Rossby Research Medal) - 荒川昭夫氏など著名な研究者が受賞
Jule G. Charney Award
Verner E. Suomi Award
スヴェルドラップ金メダル (Sverdrup Gold Medal)
* Henry Stommel Research Award

これらの表彰を通して、AMSは気象学分野の発展に貢献した研究者を顕彰し、今後の研究活動へのモチベーションを高める役割を果たしています。

AMSの貢献

アメリカ気象学会は、学術誌の発行や表彰制度の運営だけでなく、国際会議の開催、教育プログラムの提供など、様々な活動を通して気象学の発展に貢献しています。これらの活動は、気象学研究の進歩、そして地球環境問題への対応に不可欠な役割を果たしています。今後とも、気象学におけるリーディング・カンパニーとして、その役割を果たしていくことが期待されています。

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