アメリカ独立戦争におけるスペイン

アメリカ独立戦争におけるスペインの役割

アメリカ独立戦争において、スペインはフランスと協力しながら英軍と戦闘を繰り広げました。しかし、スペインはフランスとは異なり、即座にアメリカの独立を承認することはありませんでした。これは、スペインの植民地で同様の反乱が勃発することを防ぎたいという思惑からでした。実際に、戦争に参加する前からニューオーリンズを通じてアメリカの反乱軍に物資供給を行い、支援の手を差し伸べていました。

戦争参入の背景

スペインの参戦は、1777年に起きたサラトガの戦いが大きなきっかけとなりました。この戦いでは約7000名のイギリス軍が降伏し、戦局が大きく変動しました。結果的に、反乱側の植民地人たちは新たな自信を得、フランスもアメリカとの同盟契約を結ぶことに至ったのです。

フランスの戦略的な目標はイギリス本国への大規模な侵攻でしたが、そのためにはフランスとスペインの連携が不可欠でした。スペインは初めは躊躇しましたが、1779年にフランスの圧力に屈し、戦争に参戦することになりました。スペインはサラトガの戦い後に状況が大きく変化し、アメリカが固有の立場を確立することに苦慮していました。

前線における動き

スペインの参戦における主要な焦点は、ジブラルタルとメノルカ島の奪回でした。特に1779年から始まったジブラルタル包囲戦は、長期にわたって続き、様々な軍事的動きが展開されました。しかし、イギリス軍はこの要塞を死守し続けました。

カリブ海においては、スペインの焦点はイギリスが支配する地域の防衛でした。また、アメリカ本土では、ミシシッピ川流域を中心に、スペイン領ルイジアナの総督ベルナルド・デ・ガルベスがイギリス軍に対して果敢に攻勢を仕掛け、いくつかの戦闘で勝利を収めました。

パリ条約と戦後の影響

アメリカ独立戦争の終結により、1783年に結ばれたパリ条約ではスペインがジブラルタルを奪回することは叶わなかったものの、メノルカ島や西フロリダの回復を得ます。戦争を通じて、スペインの士気は大いに高まり、強国としての姿を示すことができました。

戦後のスペインとアメリカとの関係

スペインの戦争への関与は一般に成功したと考えられていますが、アメリカとの関係は後に緊張を生むこととなります。フロリダに関する争いから始まり、最終的には1819年のアダムズ＝オニス条約に繋がります。また、キューバに関する争いも1898年の米西戦争へと発展しました。戦後もフロリダブランカ伯は政界での影響力を維持し、スペインとフランスのブルボン家族同盟も強化されました。

このように、アメリカ独立戦争におけるスペインの役割は多岐にわたり、その影響は戦後の国際関係にも及びました。

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