アメリカ赤十字社

アメリカ赤十字社について

アメリカ赤十字社（American Red Cross）は、アメリカ合衆国における赤十字社であり、緊急援助、災害救援、災害準備教育などの活動を行っています。国際赤十字赤新月社連盟の創設時からの加盟団体でもあります。

歴史

設立：1881年5月21日、クララ・バートンによりワシントンD.C.で設立されました。バートンは初代社長に就任し、設立当初から組織を牽引しました。設立に先立ち、同年5月12日にはバートンの他、オマー・D・コンガー上院議員、ウィリアム・ローレンス下院議員ら15名が会合を開いています。

初期の活動：最初の地方支部は、1881年にニューヨーク州ダンズビルの教会で設立されました。また、1910年にはジェーン・デラノによってアメリカ赤十字看護部が設立されています。

クララ・バートンの貢献：クララ・バートンは、スイスで赤十字の活動を知り、アメリカでの設立を決意しました。普仏戦争中に国際赤十字の業務に従事した経験が、彼女をアメリカでの赤十字設立へと導きました。バートンは、アメリカ赤十字社が設立されてからの初期の災害救援活動を指揮し、そのリーダーシップを発揮しました。彼女の尽力により、アメリカ赤十字社は組織としての基盤を確立しました。

組織改革：設立当初、バートンは組織運営において強い影響力を持っていましたが、1904年に辞任しました。その後、プロの社会福祉事業の専門家が組織を主導し、進歩主義時代の科学的モデルに基づいて改革が行われました。これにより、組織はより専門的で効率的な運営体制へと移行しました。メーベル・ソープ・ボードマンなどの新しい指導者たちは、政府高官や軍関係者、社会福祉士、大資本家など、様々な分野の専門家からの意見を取り入れながら、組織の運営にあたりました。ウィリアム・ハワード・タフトもその一人で、組織運営に大きな影響を与えました。

主な活動

災害救援：アメリカ赤十字社は、設立当初から大規模な災害救援活動に携わってきました。1881年のミシガン州サム地域での大火や、1889年のジョンズタウン洪水など、歴史的な災害において、被災者への救援活動を指揮しました。特にジョンズタウン洪水では、2000人以上の死者が出るなど、アメリカ史上最悪の災害の一つに対応しました。

血液事業：アメリカ赤十字社は、アメリカ国内で献血された血液の約40%を供給しており、その血液は病院や医療機関に販売されています。この血液供給事業は、アメリカの医療体制において重要な役割を果たしています。

進歩的改革とタイタニック号事故：進歩主義時代には、組織の専門性が高まりました。1912年のタイタニック号の沈没事故では、ニューヨーク市支部がイギリスの慈善組織と連携し、生存者とその家族への資金援助を行いました。このような国際的な協力も、アメリカ赤十字社の活動の重要な側面です。

組織の特徴

アメリカ赤十字社は、設立当初はクララ・バートンの強いリーダーシップによって牽引されましたが、組織改革を経て、より専門的で組織的な運営体制へと移行しました。現在では、災害救援だけでなく、血液事業や様々な社会福祉活動を通じて、アメリカ社会に貢献しています。

その他の情報

アメリカ赤十字社は、公式ウェブサイトを通じて、その活動内容や歴史について情報を公開しています。
また、クララ・バートンの家は、国立公園局の歴史的場所を活用した教育プログラムの教材としても利用されています。

アメリカ赤十字社は、災害救援や人道的支援における重要な組織として、その活動を続けています。

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