アメリカ野球学会

アメリカ野球学会（SABR）について

アメリカ野球学会、通称SABR（セイバー）は、野球に関する歴史や記録、人物などを専門的に研究するための組織です。この組織は1971年の設立以来、世界中の野球愛好家や研究者にとって重要なコミュニティとなっています。初代会長に就任したのはボブ・デイビッズ氏で、彼のビジョンのもと、この学会は発展を遂げてきました。

設立と本部

アメリカ野球学会は、1971年8月10日にニューヨーク州クーパーズタウンで設立されました。設立当初は会員数が16名でしたが、現在では世界中で約7,000名もの会員が在籍しています。本部はアリゾナ州のアリゾナ州大学に移転しており、そちらで様々なイベントや研究活動が行われています。この学会は、野球についての調査を行いたい者に対し、会費を支払うことで入会を許可する制度を設けています。

主な活動内容

SABRの活動は多岐にわたります。毎年夏には総会が開催され、会員同士で研究課題についての質疑応答が行われるほか、毎週末には「This Week」と呼ばれる情報が配信されます。コロナウイルスの影響を受けても、オンラインでのシンポジウムや講演会が行われ、黒人野球や女子野球、19世紀の野球といったテーマに関する討論が活発に行われています。

さらに、SABRの会員によって年に2回発行される「ベースボール・リサーチ・ジャーナル」には、様々な研究や論文が掲載され、会員に配布されます。別に「ナショナルパスタイム」という研究誌も発行されており、会員にとって貴重な情報源となっています。

分科会と支部

総会では、研究がテーマ別に分かれた分科会が設置されており、「アジア野球」、「記録」、「球場」、「マイナーリーグ」、「19世紀の野球」、「黒人リーグ」、「野球における女性」など、専門的な議論が展開されます。これにより、会員は関心のある分野について深く学び合うことが出来ます。

また、SABRは世界中に支部を持っており、東アジア地域には日本、韓国、台湾に支部があります。日本の支部「SABR-TOKYO」の会員数は約10名ですが、コロナウイルスの影響で定期的に行われていた例会は一時中断しています。2009年には、SABR-TOKYOの名誉会長に初の日本人会員である池井優氏が就任し、日米野球関係史に関する発表を行いました。彼の貢献は日本の野球文化に新たな視点をもたらしました。

主な日本人会員

日本における主要なSABRの会員には、藤田啓二氏、森牧名氏、山口和範氏、鈴村裕輔氏、奥田隆史氏などがいます。これらのメンバーはそれぞれの専門分野で活動しており、SABRを通じて野球研究の発展に寄与しています。

まとめ

アメリカ野球学会（SABR）は、野球に対する深い情熱を持った研究者たちの集まりです。会員はさまざまな年齢や背景を持ちながら、共通の目的を持って野球の魅力を探求し続けています。彼らの活動は、未来の野球文化を豊かにする基盤となることでしょう。

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