アモス・ダラゴン

「アモス・ダラゴン」は、フランス系カナダ人作家ブリアン・ペローによって書かれたファンタジー小説のシリーズです。北欧神話をベースに、人間と神々の対立を壮大なスケールで描いています。このシリーズは世界16ヶ国で出版され、15以上の言語に翻訳されるなど、世界中で愛されています。

あらすじ

遠い昔、世界は太陽と月、昼と夜、そして善と悪という二つの対立する力によって分断されていました。善と悪の神々は、地上を支配しようと何世紀にもわたって争いを続けており、その対立は深まるばかりで、世界は混沌へと向かっていきました。

この状況を憂いた至高の存在である「白い貴婦人」は、12歳の少年アモス・ダラゴンに特別な魔法の力を秘めた「仮面」を授け、世界の均衡を取り戻すという重大な使命を与えます。「仮面を持つ者」となったアモスは、神々の陰謀を阻止し、残りの「仮面」を見つけ、世界の調和を取り戻すための壮大な旅に出ます。

旅の中で、アモスは「動物人間(オマニマル)」の少年ベオルフ、「ドゴン族」の王女ロリア、「ゴルゴン族」の少女メドゥーサといった仲間たちと出会い、共に困難に立ち向かいます。彼らは、神々やその手下たちとの戦いを通じて、それぞれの役割について深く考え、成長していきます。

主な登場人物

アモス・ダラゴン
オメイン王国に住む12歳の少年。優しい性格で正義感が強く、非常に賢い少年です。白い貴婦人から「仮面を持つ者」に選ばれ、風、火、水、土の魔法を操る力を得て旅をしています。両親を大切に思っており、旅の仲間たちとの絆を深めていきます。

ベオルフ・ブロマンソン
「動物人間(オマニマル)」の少年で、「熊族(ベオリット)」。普段は人間の姿ですが、熊に変身できます。勇敢で正義感が強い反面、短気な一面も持っています。アモスの親友として、彼と共に旅をします。ゴルゴン族の少女メドゥーサに恋心を抱いています。

メドゥーサ
「ゴルゴン族」の少女で、「蛇族(ナーガ)」の血を引きます。緑色の肌と赤い目が特徴で、相手を石に変える力を持っています。優しい性格の持ち主ですが、時にベオルフと衝突します。アモスたちを信頼しており、ロリアとは親友です。

ロリア
「ドゴン族」の王女で、魔法使いです。お転婆で気の強い性格ですが、魔法の知識でアモスたちを助けます。アモスに密かに恋心を抱いています。

マエルストローム
ドラゴン。ラグナロクの子で、人間の心臓と取り換えた事で、心優しくなりました。アモス達を家族のように慕い、戦闘では圧倒的な強さを誇ります。

その他の登場人物

フリヤ・ダラゴン: アモスの母親。
ユルバン・ダラゴン: アモスの父親。
エドンフ: オメイン王国の領主で、アモスらを苦しめます。
クリヴァンニア: 人魚の女王で、アモスを「仮面を持つ者」に選びました。
バルテレミー: ブラテル・ラ・グランドの騎士。
ヨーヌ: ブラテル・ラ・グランドの領主で、恐怖政治を行っています。
ジュノス: 語り部をしている老人。実は過去から来た少年。
泥んこマスタガン: タルカシスの森のドルイド僧。
グウェンファドリーユ: タルカシスの森の女王。
カルマカス: 魔法使いで、ゴルゴンを使ってブラテル・ラ・グランドを制圧しようとします。
メルテリュス: 死者の町ブラハの最高判事。
コルリヨン: ブラハの町の副判事。
ガンハウス: ブラハの町の副判事。裏でセトと通じています。
ジェリク: メルテリュスの秘書。生前は泥棒で首をはねられました。
ウリエル: ガンハウスの兄。地獄からセトに解放され、カロンの船に乗り込みます。
カロン: 死の河ステュクスの渡し守。
アルキオン: ブラハの町の黒いエルフ。泥棒組合の頭目。
ウゴジル: アルキオンの部下。
サルティガン: 元ドラゴン・ハンターで、アモスとベオルフの師匠。
ヴェルブーク: 呪われた金貨の番人をしている公爵。
バンリー・ブロマンソン: ベオリットの村の村長で、ベオルフの父の弟。
ヘルミック: ベオリットの戦士。
ゴイ・アズルソン: ベオリットの戦士。
カッソ・アズルソン: ベオリットの航海士。
ピョートル・バイルソン: ベオリットの戦士。
アルレ・ジルソン: ベオリットの戦士。
ルーサ・バガソン: ベオリットの戦士。
ユロ・ウルソン: ベオリットの語り部。
ジェゼル・ミックソン: ベオリットで、マエルストロームの育ての親。
シュミル・ラプソン: ベオリットの船大工。
青牙王ハラルド: 西のヴァイキング島を治める王。
バヤガヤ: 魔女。ロキからアモスとベオルフの殺害を命じられます。
フラッグ・マルタン・マック・エクラグレン: レプラホーンの長。
赤蛇王ウルム: 東のヴァイキング島を治める王。
グラムソン: 溺れているところをアモスらに助けられた男。実は悪魔。
マグナス: 水の力の守護神。
マルカス: 土の力の守護神。
モルカス: 火の力の守護神。
ミカス: 気の力の守護神。
メカス: エーテルの力の守護神。
ネレ・グール: ヴォルフスタン村の村長。
アナクス・クリナクス・ジルナクス: 塩の国の交渉人。
クトゥビア・ベン・ギリース: アルナケシュの案内人の少年。
エンメルカール: シュメール国の大司祭。
ドリューサ: 暗い海に住むゴルゴンの娘。
ミノー: アルナケシュでアモスに解放されたミノタウロス。
バアル: 地獄の第2の国の王。
アレクト、メガイラ、ティシポネ: タルタロスの番人をしているエリニュス3姉妹。
アエリグ: ペガサスの国の王女。
ザカリア: ブラテル・ラ・グランドの修道士。
サトール: ケンタウロスの少女。
緑地王ワザリー: ワザリアの地を治めるヴァイキングの王。
ボルス、チューイン: 蛇島に住む頭が2つの巨人。
エオラキ・コーク: 火の大陸の「仮面を持つ者」。
ファナ・ウジェ・イス: 水の大陸の「仮面を持つ者」。
チェルレ・ヒエル: 気の大陸の「仮面を持つ者」。

神々

白い貴婦人: 至高の女神。アモスを導きます。
セト: 嫉妬と裏切りの神。
バロン・サムディ: 死を司る神。
ロキ: 火と不和の神。
フレイヤ: 愛と豊穣の女神。
オーディン: ヴァイキングたちの神。
エンキ: 他の神々を排除して唯一神となることを画策する神。
ザリア・ザレニッツァ: あかつきを司る女神。

用語

動物人間(オマニマル): 動物の姿に変身できる人間。
仮面を持つ者: 白い貴婦人から仮面を授けられた者。
力の石: 仮面の力を増幅させる石。

作品リスト (日本で出版されたもの)

「アモス・ダラゴン 1 仮面を持つ者」
「アモス・ダラゴン 2 ブラハの鍵」
「アモス・ダラゴン 3 神々の黄昏」
「アモス・ダラゴン 4 フレイヤの呪い」
「アモス・ダラゴン 5 エル・バブの塔」
「アモス・ダラゴン 6 エンキの怒り」
「アモス・ダラゴン 7 地獄の旅」
「アモス・ダラゴン 8 ペガサスの国」
「アモス・ダラゴン 9 黄金の羊毛」
「アモス・ダラゴン 10 ふたつの軍団」
「アモス・ダラゴン 11 エーテルの仮面」
「アモス・ダラゴン 12 運命の部屋」

これらの作品はすべて株式会社竹書房から出版されています。また、日本では出版されていない続編三部作「Le Sanctuaire des Braves」も存在します。

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