アラド E.555

アラド E.555についての詳細

アラド E.555は、第二次世界大戦中にドイツのアラド社が提案した戦略爆撃機です。この機体は、アメリカ合衆国を直接攻撃できるように設計されており、その開発はドイツ航空省（RLM）の主導により進められました。アラド E.555の開発は、アメリカが戦争に参戦する前の段階で始まったものであり、ドイツ空軍向けに長距離爆撃機を求めるものでした。

設計の背景

アラド E.555の設計は、数種類にわたる異なる形状が提案され、その中で最も注目を集めたのがE.555 Iでした。この機体は、全翼設計を採用し、6発のジェットエンジンを搭載しています。また、遠隔操縦式の銃塔を装備しており、大量の兵装を搭載する能力を持っていました。全体的に見ても、アラド E.555は非常に大胆かつ高価な計画とされ、1944年にはその開発が中止されることになりました。

各型の特徴

アラド E.555は、複数のモデルに分かれて設計されました。以下はその各型の簡単な説明です：

• - アラド E.555 I: 6発のエンジンを装備した全翼機。
• - アラド E.555 II: エンジンを4発持つ全翼爆撃機。
• - アラド E.555 III: エンジンを2発搭載した全翼爆撃機。
• - アラド E.555 IV、V、VI、VII、VIII、IX、X: いずれもエンジンを3発搭載した全翼機。
• - アラド E.555 XI: 4発の爆撃機。

これらのモデルは、全翼設計という革新的なアプローチを適用し、航空力学の新たな可能性を探っていました。

諸元

アラド E.555には、以下のような基本的な諸元があります。

• - 乗員: 2〜3名。
• - 兵装搭載量: 4トンから6トン。
• - 全長: 約28フィート10.5インチから82フィート8インチ。
• - 全幅: 約69フィート6.5インチから103フィート4インチ。
• - 全高: 約11フィート11.5インチから13フィート5.5インチ。
• - 機関: BMW 109-018ターボジェットエンジンを2基から4基。
• - 推力: 約5,069ポンド。

これらの仕様は、アラド E.555の設計の野心さと、その時代の戦略的な要件に適応しようとする試みを示しています。

まとめ

アラド E.555は、第二次世界大戦中のドイツが持った戦略爆撃機の構想の一つであり、当時の技術と戦略に基づいた革新的な設計の代表例といえるでしょう。その野心的な開発は、最終的には実現しませんでしたが、航空機技術の進化に寄与した重要な一歩でもありました。

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