アラン・ラムゼー (画家)

アラン・ラムゼーの肖像画家としての生涯

アラン・ラムゼー（Allan Ramsay）は、1713年にスコットランドのエディンバラに生まれた肖像画家で、1784年に亡くなるまでの間に多くの肖像画を残しました。彼はジョージ3世の宮廷画家として知られ、その作品は現在でも高く評価されています。

ラムゼーは有名な詩人である同名の父、アラン・ラムゼーの息子として生まれ、非常に芸術に恵まれた家庭環境で成長しました。12歳の時からロンドンでスウェーデン出身の画家、ヒジング（Hans Hysing）に師事し、その後もセント・マーティンズ・レーン・アカデミーで絵を学ぶことで、画家としての基盤を築きました。

1736年にはイタリアに渡り、ローマやナポリでフランチェスコ・ソリメーナやフランチェスコ・フェルナンディらのもとで修行を重ねました。この時期の経験は、彼の絵画スタイルに大きな影響を与え、その後の作品に見られる洗練された技術と感受性の源となったと考えられています。

1783年にイギリスに戻ったラムゼーは、エディンバラに住み、当地の政治家や貴族たちの肖像画を手がけて注目を浴びました。その後ロンドンに移り住み、第3代ブリッジウォーター公爵フランシス・エジャートンに雇われ、人気を得ました。彼はその陽気な性格や広範な教養によって、多くの人々に親しまれました。また、彼は同時代の肖像画家トマス・ハドソンとも人気を競いました。

私生活では、1739年にエディンバラ大学の教授の娘と結婚し、1743年に彼女を失うまでに3人の子供をもうけました。しかしながら、彼の子供たちは成人に達することなく亡くなってしまいました。1852年には絵を教えていたサー・アレグザンダー・リンジーの娘、マーガレット・リンジーと再婚します。この結婚はリンジーの父の反対に遭いながらも実現し、1754年から1757年には夫妻でイタリアに滞在して、自らの技術を磨き、また名士たちの肖像画を描くことで収入を得ました。

1761年にはイギリスに戻り、ジョン・シャクルトンの後を引き継いで、国王ジョージ3世の主席宮廷画家に任命されました。彼は国王の要請により多くの肖像画を制作し、外交官や植民地総督たちに下賜するための作品を描くことになりました。この業務のために、デービッド・マーティンやフィリップ・ライナグルといった助手たちの協力を得て、多くの肖像画を手掛けました。

アラン・ラムゼーの作品は、彼自身のスタイルと技術が一体となり、彼の個性を表現しています。彼の描く人物は、ただ単に外見を写し出すだけではなく、その人の性格や内面をも映し出すことに成功しています。現在、彼の作品はさまざまな美術館やコレクションで見ることができ、その影響力は今日に至るまで残っています。

参考文献

ドブソン, ヘンリー・オースティン (1896). "Ramsay, Allan (1713-1784)". In Lee, Sidney (ed.). Dictionary of National Biography (英語). Vol. 47. London: Smith, Elder & Co. pp. 233–234.

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