アラーの使者

『アラーの使者』

『アラーの使者』は、日本の連続テレビ映画であり、1960年に放映されました。主演は千葉真一が務め、監督は近藤竜太郎が担当しました。製作は東映テレビ・プロダクションとNETテレビによって行われ、全26話がモノクロ・アナログ放送で放映されました。この作品は、連続テレビ映画『新 七色仮面』の後続作品であり、変身ヒーローをテーマにした冒険活劇が展開されます。

作品の背景と設定

この作品の舞台は中近東にある架空の「カバヤン王国」です。物語は、王位後継者であるココナツ殿下と彼の妹マミイが、秘宝を探し求める冒険から始まります。この財宝は4枚の地図に隠されており、王国には危険な紅蜥蜴団が立ちはだかります。絶体絶命の危機に直面した二人の前に現れるのが、白いターバンをまとった正義の使者「アラーの使者」です。このキャラクターの正体を演じるのも千葉真一であり、彼がコスチュームを身にまとい、物語を勝ち取るために奮闘します。

番組の特徴とキャラクター

『アラーの使者』は、特に製作時の設定が非常に印象的です。登場人物の名前は、番組スポンサーであるカバヤ食品からのインスピレーションを受けており、ココナツ殿下やマミイの名前は、それぞれ同社の主力商品に由来しています。また、主題歌も非常に有名で、オープニング曲「アラーの使者」は東芝児童合唱団によって歌われ、作詞は川内康範が手がけています。

保存状況と後の展開

この作品において、現存しているポジフィルムは限られており、現在確認されているのは第1話『恐怖の紅とかげ』のみです。ただし、1980年代に放送されたバラエティ番組『欽ドン!良い子悪い子普通の子』で最終話の一部が放映されたことがあり、この映像がファンの間での興味を再燃させました。また、2020年には第1話のデジタルリマスター版DVDが登場し、往年の作品を新たな形で楽しむことができるようになりました。

漫画化とその後の影響

作品の人気により、『アラーの使者』は九里一平による漫画としても展開され、『冒険王』に連載されていました。この漫画版は2010年に単行本として刊行され、さらなるファン層を形成しました。作品の影響はその後のヒーロー作品にも見られ、1972年には『愛の戦士レインボーマン』が本作を基にして制作されました。

総評

『アラーの使者』は、変身ヒーローというジャンルを代表する作品であり、千葉真一の魅力や独創的な設定が印象的です。モノクロ放送であった当時を考えれば、そのビジュアルの中に緊張感や興奮がどれほど表現されていたかを感じることができます。視聴者に夢と冒険を提供したこの作品は、現在でも多くの人々の記憶に残っていることでしょう。

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