アリーナロマンス

アリーナロマンス

『アリーナロマンス』は、2007年10月6日に公開された日本の青春映画です。板垣英文が脚本・監督を務め、アイドルオタク（ヲタク）の世界を舞台に、若者たちの恋愛、友情、そして夢を描いています。下北沢トリウッドと専門学校東京ビジュアルアーツとの共同企画“トリウッド・スタジオ・プロジェクト”の第二弾として制作されました。

概要

監督の板垣英文自身が元モーニング娘。の熱狂的なファン(モーヲタ)であり、その経験が本作の制作に大きく影響しています。34歳で派遣会社をリストラされた後、専門学校東京ビジュアルアーツ映画学科に入学。在学中に自身の体験を基に『アリーナロマンス』の脚本を書き上げ、監督としてデビューしました。

映画には、板垣監督が影響を受けた大林宣彦監督の「尾道三部作」や、安達哲の漫画『キラキラ!』などへのオマージュが散りばめられています。また、登場人物は実在するハロー!プロジェクトのアイドルがモデルとなっています。

タイトルは、コンサート会場を象徴する「アリーナ」と、恋愛の意味とヲタ芸の「ロマンス」を掛け合わせたものです。アイドルオタクにとって、コンサートはアイドルとの擬似デートのような特別な体験であり、本作がコンサート会場を舞台にした恋愛物語であることから名付けられました。

ストーリー

高校生のミツルは、女性アイドルグループ、ヴァニラエッセンスの安西夏紀のオタク。ネット掲示板で知り合った古参ヲタの校長と共に、夏紀がソロデビュー曲を披露する歌番組の観覧に出かけます。そこでミツルは、クラスメートの舞華が男性アイドルグループ、メルシーズの追っかけ（オリキ）をしているのを目撃します。お互いにアイドルに夢中になっていることを隠していた二人は、秘密を共有することで友情を深め、協力し合うようになります。

しかし、舞華はメルシーズのタレント・青木友也と繋がり、ミツルは夏紀の[ストーカー]になってしまいます。アイドルファンとしての一線を越えてしまった二人には、試練が待ち受けていました。その後、二人は恋に恋する状況から現実に目覚め、舞華はアイドル歌手を目指し、ミツルは舞華をプロデュースするために奮闘します。

登場人物

寺井ミツル: アイドルオタクの高校生。ヴァニラエッセンスの安西夏紀に夢中。
芹沢舞華: ミツルのクラスメート。メルシーズの青木友也の追っかけ。
安西夏紀: 人気アイドルグループ、ヴァニラエッセンスのメンバー。
青木友也: 人気アイドルグループ、メルシーズのホープ。
校長: ミツルのヲタ友で、古参のアイドルオタク。

キャスト

寺井ミツル：田中康寛
芹沢舞華：池田光咲
安西夏紀：坂本佳菜子
青木友也：三浦悠
及川悟：高木心平
畑山秀行：中田祐矢
芹沢美穂：千代谷美穂
中本美麗：高梨麻衣
上條絵里奈：こんのあい
藤井ゆみ：松本紫甫
校長：掟ポルシェ
トップさん：石黒彩

スタッフ

脚本・監督：板垣英文
撮影：矢島隆太
音楽：伊藤ひさ子

イベント・グッズ

映画公開前には、前売り券の販売や特別先行上映会、トークイベントなどが行われました。劇場ではパンフレットやライブDVDが販売されました。

外部リンク

『アリーナロマンス』公式webサイト
アリーナロマンス - allcinema

『アリーナロマンス』は、アイドル文化への愛情と、若者たちのリアルな感情が詰まった作品です。アイドルファンはもちろん、青春映画好きにもおすすめです。

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