アルザスの青い空

『アルザスの青い空 LE CIEL BLEU D'ALSACE』

1985年にフジテレビで放映された『アルザスの青い空 LE CIEL BLEU D'ALSACE』は、フランスのアルザス地方を舞台にしたテレビドラマで、心温まるストーリーと美しい風景が魅力です。全12話構成で、放送は1985年10月から12月まで行われました。

ロケーションと制作背景

ドラマの撮影は、フランス・アルザス地方のニーデルモルシュヴィル村で行われました。ロケは1985年の5月から7月、そして8月末から10月中旬の2期間にわたって実施され、地元の風景や人々の生活がリアルに描かれています。この作品は、当時のアルザス東京事務所の所長との出会いからスタートし、フジテレビの制作陣が現地を訪れたことがきっかけとなりました。妻の協力を得て、現地の村人たちも本物のキャストとして参加しており、ただのエキストラではなく、見事な演技で作品に深みを与えています。

あらすじ

主人公の吉村行雄は、日本から遠く離れたドイツのデュッセルドルフで貿易会社を営んでいましたが、倒産してしまいます。仕事に没頭するあまり家族との関係も疎遠になり、妻彩子は娘純子を連れて帰国を決意します。失意の中で彼は運転中に事故を起こし、その後フランスのニーデル村にたどり着きます。ここで彼は、地元のシャルル神父や村の人々と交流しながら新たな生活を始めることになります。

その後、行雄は富田明、井沢大助、谷山雄一という少年たちと共にサッカーチームを結成し、地域の大会へ参加するなど、村での活動を通じて少しずつ心の傷を癒していきます。吉村家の生活は次第に賑やかになり、秋には妻彩子と娘純子が再びニーデル村にやってきて、家族という形が戻ります。彼らの再会は、今までの苦しみを克服する象徴でもあり、物語のクライマックスを迎えます。

主要キャラクター

• - 吉村行雄（山下真司）: ドイツでの失敗を経て、村で新たな人生を模索する。
• - 吉村彩子（坂口良子）: 家族を支えるために自立を目指す母。
• - 吉村純子（藤田亜里早）: 父とのつながりを大切にする少女。
• - シャルル神父（E・H・エリック）: 村の温かさを象徴する人柄。
• - 富田明（矢野泰二）と井沢大助（岩国誠）、谷山雄一（本山真二）: 友情を深める少年たち。

音楽と演出

音楽は菊池俊輔が担当し、物語を盛り上げる役割を果たしています。演出陣は戸國浩器、松田秀知、西崎束と多彩であり、リアルな人間ドラマを表現することに成功しています。この作品は、日本とフランスの文化や日常を織り交ぜながら、人と人との絆が育まれる様子を美しく描いています。

まとめ

『アルザスの青い空』は、ドラマとしてのストーリーだけでなく、村の人々や風景が大きな役割を果たす、心が温まる作品です。人々とのふれあいや絆の中で、主人公がどのように成長していくのかが描かれたこの作品は、今も多くの人の心に残る名作となっています。

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