アルツール・アンチネス・コインブラ
アルツール・アンチネス・コインブラは、人気サッカー
漫画を原作とするテクモ開発のゲーム『
キャプテン翼』シリーズに登場する、
ブラジル出身の架空のプロサッカー選手です。原作
漫画や他のメディアには登場しない、ゲーム独自のオリジナルキャラクターとして知られています。
人物と能力
ゲームシリーズにおいては、『
キャプテン翼II』で初めてその姿を現して以来、テクモが手掛けたその後のシリーズ作品にも継続して登場し、物語の重要な局面で主人公たちの前に立ちはだかる存在となりました。
ブラジル代表監督であるロベルト本郷をして、「
大空翼をも凌駕する、文字通り完成されたスーパーストライカー」と言わしめるほどの圧倒的な実力を誇ります。
彼の能力値は他の追随を許さない極めて高い水準にあり、個々の能力を見ても突出しています。特にドリブルとタックルにおいては、ゲーム内の全選手の中で最高の評価を受けるほどでした。また、総合的な選手能力においても、『II』や『III』では全選手中トップに君臨し、『IV』ではプロリーグで活躍する先輩選手たちには及ばないものの、翼たち同世代の選手たちの中では群を抜いた最高クラスの能力を有していました。
驚異的な身体能力に加え、コインブラは特別なスキルも数多く所有しています。例えば、そのドリブルスピードは通常選手の倍速に達するため、相手選手が追いつくことすら難しく、ディフェンスの機会をほとんど与えないという状況がしばしば発生します。この「ドリブル倍速」という能力を持つ選手はゲーム中でも非常に稀であり、滝一や、「天才のセンス」発動時のファン・ディアス、マッハーなど、ごく一部の天才的なドリブラーのみに許された特別な技術です。
彼の氏名は、
ブラジルの伝説的なサッカー選手である
ジーコ氏の本名(アルトゥール・アントゥネス・コインブラ)と同名ですが、ゲーム『V』には
ジーコ氏自身が「アンツネス」という名前で「カナリアスターズ」の一員として登場しています。このことから、ゲーム世界におけるコインブラは、
ジーコ氏本人ではなく、あくまで同姓同名の別人という設定であることが分かります。
作中での経歴
コインブラの選手キャリアは、ゲームシリーズを通して描かれています。所属チームとしては、ゲーム『IV』で
ブラジルの名門クラブ、
CRフラメンゴの一員としてプレイする姿が確認されています。
代表チームにおいては、『
キャプテン翼II』で
ブラジルユース代表に選出されます。監督であるロベルト本郷は、彼をワールドユース決勝まで温存するという秘策を実行し、チームのエースである
カルロス・サンターナにすら与えなかった背番号10をコインブラに託すなど、その実力への絶大な信頼が示されました。決勝戦で日本の前に立ちはだかり、その圧倒的な力を見せつけます。
『
キャプテン翼III』では、ライバルでもある
カルロス・サンターナとの連携を深め、協力技である「リーサルツイン」を習得。これにより、彼の得点能力はさらに磨きがかかりました。
『
キャプテン翼IV』では、ゲームの進行ルートによっては、ラテンアメリカカップにおいて、
大空翼たちと共に
ブラジル選抜のメンバーとしてプレイするという、非常に珍しい共闘展開も存在しました。
『
キャプテン翼V』においては、現役選手としては登場しませんでした。これは、選手生命が危ぶまれるほどの重傷を負い、長期にわたるリハビリ生活を送っていたためです。病院に見舞いに訪れたサンターナに対しては、「引退に悔いはない」と語っていましたが、自身の怪我によってスランプに陥ったサンターナが、コパ・アメリカ決勝で劇的な復活を遂げる姿に深く感銘を受けます。そして、引退の意思を撤回し、サンターナに「必ず選手として再びピッチに戻る」と力強く約束しました。
得意技
コインブラは数々の強力な必殺技で、そのスーパープレイを彩ります。
マッハシュート: コインブラの代名詞ともいえる必殺シュートです。超高速で放たれたボールが、途中で小刻みに揺れながら視界から一度消え、相手ゴールキーパーの目の前に突然再出現するという、極めて強力かつ予測困難なシュートです。
オーバーヘッドキック: 空中に高く浮いたボールを、体を反転させながら直接シュートする技術です。一流選手であれば多くの者が使用できる基本的な大技ですが、コインブラも正確に使用できます。
*
リーサルツイン: 『III』から使用可能となった、
カルロス・サンターナとの連携必殺技です。二人のタイミングを合わせて同時にボールを蹴り込むツインシュートであり、ゲーム中に登場する様々なツインシュートの中でも最高クラスの威力を誇ります。
これらの圧倒的な能力と必殺技により、アルツール・アンチネス・コインブラはゲーム『
キャプテン翼』シリーズにおいて、常に主人公たちの前に立ちはだかる最強クラスのライバル、あるいは稀に共闘する頼れる仲間として、強烈な印象を残す存在であり続けています。