アルティマエース

アルティマエース：スタイリッシュコミック誌の軌跡

2011年10月から2012年10月まで、角川書店より隔月刊で発行されていた漫画雑誌「アルティマエース」。キャッチコピーは「キミを夢中にさせるスタイリッシュコミック誌」で、ヤングエースの増刊号という位置づけながら、多くの読者とクリエイターを魅了しました。全7号という短い期間での発行でしたが、その存在感は、後続誌への影響や、掲載作品、そして独自の漫画賞などを通して、現在も語り継がれています。

雑誌の概要と特徴

「アルティマエース」は、偶数月の18日に発売され、ヤングエース2011年11月号増刊として創刊されました。しかし、2012年10月18日発売の第7号で休刊が発表されました。各号は、ヤングエースの増刊号として番号が振られ、Vol.1からVol.7までが発行されました。

特徴的なのは、少年エースやヤングエースで活躍する作家陣が多数参加していた点です。特に創刊号には、『デッドマン・ワンダーランド』で知られる片岡人生氏と近藤一馬氏のオリジナル読み切り漫画が掲載され、注目を集めました。また、雑誌創刊と同時に「アルティマ新人漫画大賞」が設立され、片岡氏と近藤氏が審査員を務めたことも話題となりました。この漫画賞は、角川漫画新人大賞とは別に設けられた独自の賞で、多くの才能の発掘に貢献しました。

表紙や装丁はヤングエースと同様の構成で、親しみやすさが感じられました。号表示は第1号のみ「Vol.1」表記でしたが、第2号以降は「ヤングエース○月号増刊アルティマエース」と表示されるようになりました。編集長は、少年エース、4コマnanoエース、ヤングエースの編集長を歴任した見野善則氏が務めていました。

連載作品と読み切り作品

「アルティマエース」には、多くの連載作品と読み切り作品が掲載されました。連載作品は、休刊後、ヤングエースや月刊Asukaなどに多くが移籍しました。中には、単行本未収録の作品も存在します。代表的な連載作品には、『シザーシスターズ』、『バカが全裸でやってくる』、『カンガエロ』、『鎌倉デコフライフ』、『Fate/Zero|Fate_Zero黒』などがあります。また、読み切り作品として『神様☆パーマネント』、『ココロカルトン』、『およづれ御諚』など、多くの魅力的な作品が掲載されました。これらの作品は、作家の個性と才能が存分に発揮されたものでした。

アルティマ新人漫画大賞

「アルティマエース」の大きな特徴の一つに、独自の漫画賞「アルティマ新人漫画大賞」の存在があります。第1回と第2回の審査員は、それぞれ片岡人生氏・近藤一馬氏、小玉有起氏でした。大賞受賞者には賞金100万円と本誌掲載、担当編集のサポートが提供されるなど、充実した支援体制が整えられていました。

その他の企画

「アルティマエース」には、読者参加型のコーナー「アルティメット学園生徒会室」も存在しました。読者からのイラストや悩み相談、占いコーナー、アンケートなどが掲載され、読者と雑誌が密接につながる場となっていました。

休刊後の影響

短期間での休刊という結果に終わりましたが、「アルティマエース」は、多くの才能を発掘し、育成する役割を果たしました。掲載された作品、そして「アルティマ新人漫画大賞」から生まれた作家たちは、その後も漫画界で活躍を続けています。その影響は、今もなお、漫画界に刻まれています。 「アルティマエース」は、その短い歴史の中で、多くの読者に記憶される、個性的な漫画雑誌であったと言えるでしょう。

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