アルティ・エ・メスティエリ

アルティ・エ・メスティエリ (Arti & Mestieri)

アルティ・エ・メスティエリは、1970年代にイタリアのトリノで誕生したプログレッシブ・ロックとジャズ・ロックのバンドです。その音楽スタイルは、イタリアン・プログレッシブ・ロックの真髄を体現しており、特にジャズ・ロックの要素が色濃く反映されています。メロディーやハーモニー、リズムにおいて、地中海音楽の特有のエッセンスが融合され、アングロ・サクソン・ミュージックとは一線を画す独自性を持っており、その結果、国際的にも高く評価されています。

経歴

バンドの歴史は1973年に遡ります。この年、元イル・ソーニョ・ディ・アルキメデのメンバーであるジジ・ヴェネゴーニ、ジョヴァンニ・ヴィリアール、アルトゥーロ・ヴィターレ、マルコ・ガレージが、プロ・デビューしていたドラマーのフリオ・キリコとの出会いによって新たなバンドを結成することを決めました。テープとして録音されていた彼らの楽曲は、プロモーターのフランコ・マモーネの目に留まり、瞬く間に正式にバンドが結成され、その後、オルガニストのベッペ・クロヴェッラが加入して、アルティ・エ・メスティエリが生まれました。

最初、彼らは単に「アルティ」と呼ばれ、1974年に「フェスティヴァル・デル・プロレタリアート・ジョヴァニーレ」にプロとしてデビューしました。その後、プレミアータ・フォルネリア・マルコーニやアレアとともにイタリアツアーを行い、同年にクランプス・レコードと契約後、「アルティ・エ・メスティエリ」へと名を改めました。彼らのデビューアルバム『ティルト』は、繊細な演奏技術と美しいメロディを持ち、瞬く間に世界中にその名が広まりました。

翌1975年には、セカンドアルバム『明日へのワルツ』を発表。この作品では、元プロセッションのボーカリストであるジャンフランコ・ガザが加入し、音楽の幅が広がりました。アルバム全体の構成やアレンジが練りこまれ、密度の高い仕上がりとなり、前作と並んでバンドの重要な一枚とされています。その後、1979年にはサードアルバム『クイント・スタト』をリリースしました。

しかし、1980年代には活動が停滞し、フリオ・キリコを中心とした新しい取り組みが主流となりました。それでも、彼らは2000年に復活し、通算6枚目のアルバム『ムラレス』をリリースしました。このアルバムからは、定期的にイタリア国外でのフェスティバルやライブ活動に参加し、徐々に再評価を受けるようになりました。

2015年には結成40周年を記念して、アルバム『ウニヴェルシ・パラレリ』をリリース。特に日本での公演では、長時間にわたるステージで観客を魅了し、高い評価を受けました。そして、2019年には4度目の来日公演を果たしました。

バンド名の由来

「アルティ・エ・メスティエリ」とは、イタリア語で「芸術家と職人」を意味します。この名前には、音楽を通じてアートと技能を掛け合わせるというメッセージが込められています。

主なディスコグラフィ

• - 『ティルト』 (1974年)
• - 『明日へのワルツ』 (1975年)
• - 『クイント・スタト』 (1979年)
• - 『アクアリオ』 (1983年)
• - 『チルドレンズ・ブルーズ』 (1985年)
• - 『ムラレス』 (2000年)
• - 『ウニヴェルシ・パラレリ』 (2015年)

まとめ

アルティ・エ・メスティエリは、その独自の音楽スタイルで、イタリアのプログレッシブ・ロックシーンで確固たる地位を築いてきました。彼らの音楽は、ジャンルを超えた多様性と芸術性に溢れており、今後の活動にも期待が寄せられています。

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