アルトマルク休戦協定

アルトマルク休戦協定について

アルトマルク休戦協定は、1629年9月26日に締結されたスウェーデン・ポーランド戦争の重要な合意であり、両国の戦争状態を終わらせる画期的な出来事でした。この和議は、プロイセン地方のアルトマルクで行われたため、その名が付けられました。

戦争の背景

スウェーデンとポーランドの間の戦争は、1630年から始まり、8年間にわたり激しい戦闘が繰り広げられていました。特に、同じ年に発生したプツクの戦いでは、スウェーデン軍が大敗を喫しました。しかし、ポーランド側もまた戦争を続ける余力がなかったため、和平に向けた動きが高まっていきました。その中で、フランス王国が調停の役割を果たし、二国間の紛争解決を図ることとなります。

和議の主な内容

アルトマルクの和議は、フランスの調停によってスウェーデンに有利な形で調印されました。主要な合意内容は以下の通りです。

1. 休戦期間: スウェーデンとポーランドは、6年間の休戦に合意しました。
2. 領土獲得: スウェーデンはリーフランド（リヴォニア）を獲得しました。
3. 徴税権の獲得: スウェーデンは、メーメル及びダンツィヒ平原の諸都市における徴税権を確保しました。
4. 守備兵の駐留: スウェーデン軍はプロイセン北岸に守備兵を駐留させることが認められました。
5. 領土返還: スウェーデンは、東プロイセンをプロシア公国に返還することとなりました。
6. スウェーデン王位の容認: ポーランドはグスタフ・アドルフがスウェーデン王であることを容認し、実質的には保留しました。

この合意により、グスタフ・アドルフのバルト海における影響力の向上が図られると同時に、スウェーデンは三十年戦争に本格的に介入する準備を整えることができました。

ストゥムスドルフの和約

1635年、前述の6年間の休戦が満了すると、両国は改めてストゥムスドルフの和約を締結しました。この合意は、さらに和平を強化するためのもので、以下の要素が含まれていました:

1. 徴税権の撤廃: スウェーデンによるメーメル及びダンツィヒ平原の徴税権が撤回されました。
2. 撤兵: スウェーデン守備兵はプロイセン北岸から撤退しました。
3. 非侵略の約束: ポーランドはスウェーデンに対する侵略行為を行わないことが約束されました。

この和約により、スウェーデンは一時的に迷走していたものの、穏やかな状況を取り戻すことができました。リーフランドやリガに関する領土問題は解決を見なかったものの、ポーランド側からスウェーデンの主権が認められたことから、事実上これらの地域はスウェーデンの支配下に入ることとなりました。

結論

アルトマルク休戦協定は、スウェーデン・ポーランド戦争における重要な転機であり、後のヨーロッパの歴史においても大きな影響を及ぼしました。特に、スウェーデンの影響力拡大と、三十年戦争への本格的な関与は、この和議を通じて前進することとなりました。

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