アルバートオデッセイ

アルバートオデッセイ

『アルバートオデッセイ』は、東海エンジニアリングが開発し、サンソフト（サン電子）より1993年3月5日に発売されたスーパーファミコン用シミュレーションRPGです。従来のRPGとシミュレーションゲームの要素を融合させた独特のゲームシステムが特徴です。

ゲームシステム

本作は、村や町での移動はオーソドックスなコンピュータRPGタイプで、ワールドマップやダンジョン内での移動と戦闘がシミュレーションRPGタイプとなっています。これにより、戦略的な思考とRPGならではのストーリー体験を同時に楽しむことができます。

配信・移植

1998年にはサテラビュー対応ソフトとしてBS-Xデータ放送にて配信された他、2010年にはWindows用ソフトとしてプロジェクトEGGにて配信されました。その他、バーチャルコンソール対応ソフトとして2010年にWii、2015年にWii Uにて配信され、様々なプラットフォームで遊ぶことが可能です。

ストーリー

かつて世界征服を企てた魔術師オズワルドは、魔法の力を秘めた少女ソフィアによって世界の果てへと飛ばされました。しかし10年後、オズワルドはさらに強力になって再び世界征服に向けて行動を開始します。チベリス生まれの王族の血を引く勇者アルバートは、親友の僧侶見習いであるノイマン、かつてオズワルドを倒した少女ソフィアと共にオズワルド打倒のための旅に出ます。

登場人物

味方キャラクター

アルバート（16歳・勇者）
本作の主人公。勇者の血を引く、明るく正義感の強い性格です。王族の血も引いており、母親から「勇者の剣」を授けられます。
ソフィア（14歳・魔術師）
本作のヒロイン。10年前、目の前で母親を殺されたショックで魔導の力が暴走。その後、ゴート騎士団の団長スレイに引き取られ、現在は宮廷魔術師としてゴートの第四師団に所属しています。
ノイマン（16歳・僧侶）
アルバートの親友で、僧侶の卵。両親は幼い頃に他界し、チベリスの司祭に育てられました。
スレイ（48歳・団長）
ゴート王国の騎士団長。剣技に優れ、ドラゴンすら一撃で倒すほどの実力者です。
ダッシュ（26歳・義賊）
圧政を行う者や強欲な者を狙う義賊。民衆からの人気は高いですが、滅多に人前に現れません。
マージン（236歳）
エルフ族の里シルヴィシス出身。エルフ族は不老の種族であり、長い時を生きています。
ガリオク（83歳・戦士）
ドワーフ族の戦士。頑固な意志と屈強な体を持っています。

敵キャラクター（ボス）

ライアモス（32歳・団長）
神聖十字軍の団長。アルバート達と対峙します。
シン（18歳・騎士）
魔導の血を引く神聖十字軍の騎士。「氷の貴公子」と呼ばれ、冷気を操る力を持っています。
フィロ（?歳・賢者）
放浪の賢者。アルバート達は、後に第一期・魔導戦役と呼ばれる戦いの戦場で彼と出会います。
オズワルド
古の魔法文明グローバスの血を引く悪の大魔導師。水晶の力でグローバス王を復活させ、世界征服を企みます。
グローバス
本作のラストボス。終盤で復活し、アルバート達に倒されます。

開発

本作は、サンソフト所属のスタッフが原型となる企画を進めていましたが、行き詰まった際に森達男に相談。主人公がメカであったものを、森が「RPGであればファンタジーにした方が良い」と判断し、世界観を創造しました。森は裏設定やグラフィックに拘ったと語り、影響を受けたゲームソフトとして『ドラゴンクエストシリーズ』や『ファイナルファンタジーシリーズ』を挙げています。また、『ゼルダの伝説』に似ていると指摘されたことに対し、プログラマーは『G-LOC』を意識していたと述べています。

評価

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、戦闘システムが既存のRPGから改善されている点が評価されました。一方で、見た目に関して「ちょっと見づらい」という指摘もありましたが、「慣れるとかえってしっくりくる」と肯定的に評価されました。戦闘バランスに関しては、「もう少し練りまくってほしかった」という意見や、「序盤戦が特に辛い」という意見もありました。

関連作品

アルバートオデッセイII 邪神の胎動
アルバートオデッセイ外伝〜LEGEND OF ELDEAN〜

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