アルバ公

トルメスのアルバ公爵位：スペイン貴族の栄光と歴史

トルメスのアルバ公爵位は、スペイン貴族社会において最も権威ある称号の一つです。その歴史は15世紀半ば、カスティーリャ王エンリケ4世によってアルバ伯の称号がアルバ公爵に昇格されたことに始まります。以来、幾多の変遷を経て現代に至るまで、その名門はスペインの歴史に深く刻まれてきました。

初代から3代公爵：アルバ家の隆盛

アルバ公爵家の起源は1439年、フェルナンド・アルバレス・デ・トレドによるアルバ卿のアルバ伯爵への昇格に遡ります。その後、彼の息子ガルシア・アルバレス・デ・トレドが1472年にアルバ伯の称号を公爵位に昇格させ、トルメスのアルバ公爵家の歴史が本格的に幕を開けました。

特に、3代アルバ公フェルナンド・アルバレス・デ・トレド(1507-1582)は、16世紀スペインを代表する名将として知られています。カール5世、フェリペ2世両帝に仕え、プロテスタント勢力との激戦を繰り広げました。スペイン領ネーデルラント総督在任中には、宗教裁判「血の評議会」を実施し、多くのプロテスタントを処刑したことで知られています。この行為は、オランダ独立戦争（八十年戦争）の引き金の一つとなったと言われています。ネーデルラントでの総督職の後も、ポルトガル征服戦争などで活躍しました。

アルバ家の継承と変遷：シルバ家、そしてフィツ＝ハメス・ステュアルト家へ

10代アルバ公フランシスコ・アルバレス・デ・トレドの没後、爵位は彼の娘マリア・テレサへと継承されました。彼女はガルベ伯爵マヌエル・デ・シルバと結婚し、以降アルバ公爵位はシルバ家へと受け継がれることとなります。

その後、マリア・デ・シルバとジェームズ・フィッツジェームズ（初代ベリック公爵）の結婚を通じて、フィツ＝ハメス・ステュアルト家がアルバ公爵家の家系に加わります。14代アルバ公カルロス・ミゲル・フィツ＝ハメス・ストゥアルトの襲爵以降、アルバ公爵位はフィツ＝ハメス・ステュアルト家に継承されることとなります。

スペイン内戦中には、アルバ公爵家の邸宅であるマドリードのリリア宮殿が焼失するという悲劇に見舞われました。しかしながら、17代公ハコボ・マリアと18代女公カイエターナによって再建され、現在もその威容を誇っています。

現在のアルバ公爵と膨大な所領

現在のアルバ公爵は19代当主のカルロス・フィツ＝ハメス・ストゥアルトです。彼はアルバ公爵位に加え、ウエスカル公爵、ベリック公爵、リリア＝ヘリカ公爵など、数々の公爵位、侯爵位、伯爵位、子爵位を保有しています。その所領はマドリードのリリア宮殿、セビリアのラス・ドゥエーニャス宮殿など、スペイン各地に広がっています。

アルバ公爵家の系譜と未来

アルバ公爵家の歴史は、スペインの歴史そのものと深く関わっています。中世から近世、そして現代に至るまで、スペインの政治、軍事、文化に大きな影響を与えてきました。その栄光の歴史と、現代に続くその偉大な家系は、今後もスペインの歴史に重要な役割を果たし続けることでしょう。アルバ公爵家、そしてその未来に注目が集まります。

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