アルフィー/イーヴェッツ・レッドナウ

アルフィー (Alfie Eivets Rednow) について

スティーヴィー・ワンダーの1968年発表のアルバム『アルフィー』は、彼のキャリアの中でも特異な存在感を放つ作品です。このアルバムは、ワンダー自身が逆さに綴った名前「Eivets Rednow」で知られるインストゥルメンタル・アルバムとしてリリースされました。ワンダーは、魅力的なメロディと豊かな音楽性を持った楽曲を次々と作り上げてきましたが、特にこのアルバムは彼の多様なスタイルを示す重要な作品とされています。

アルバムの特徴

『アルフィー』は、スティーヴィー・ワンダーが発表した数少ないインストゥルメンタル・アルバムの一つです。主な内容は、彼自身による楽器演奏が中心となっており、いくつかの歌詞のある曲も収録されていますが、全体としてインストゥルメンタルとしての形をとっています。表題曲「アルフィー」は、バート・バカラックとハル・デビッドによる名曲ですが、商業的には期待された成果を上げることはありませんでした。シングル「アルフィー」は話題にならず、無意味とされるアレンジが目立つトラックもあるため、批判的な意見も少なくありません。

それでも、このアルバムはスティーヴィー・ワンダーの音楽的アプローチを知るための鍵となる作品です。彼は多様なスタイルを探求し、アルバム全体を通じた音の豊かさやリズム感は強く、リスナーに独自の体験を提供しています。

収録曲の紹介

『アルフィー』は、二つのサイドに分かれた収録曲を持っています。以下は、収録されている楽曲のリストです。

Side 1

1. Alfie (アルフィー) - [3:14]
- 作詞・作曲: Burt Bacharach, Hal David
2. More than a Dream (モア・ザン・ア・ドリーム) - [3:48]
- 作詞・作曲: Henry Cosby, Stevie Wonder
3. A House Is Not a Home (ア・ハウス・イズ・ナット・ア・ホーム) - [3:32]
- 作詞・作曲: Burt Bacharach, Hal David
4. How Can You Believe (ハウ・キャン・ユー・ビリーヴ) - [3:04]
- 作詞・作曲: Stevie Wonder
5. Medley: Never My Love/Ask the Lonely (ネバー・マイ・ラヴ/アスク・ザ・ロンリー) - [2:30]
- 作詞・作曲: Don Addrisi, Dick Addrisi/Ivy Jo Hunter, William "Mickey" Stevenson

Side 2

1. Ruby (ルビー) - [6:48]
- 作詞・作曲: Mitchell Parish, Heinz Roemheld
2. Which Way the Wind (ウィッチ・ザ・ウェイ・ザ・ウィンド) - [2:47]
- 作詞・作曲: Stevie Wonder
3. Bye Bye World (バイ・バイ・ワールド) - [3:21]
- 作詞・作曲: Stevie Wonder
4. Grazin' in the Grass (草原の輝き) - [2:57]
- 作詞・作曲: Philemon Hou

結論

『アルフィー』は、スティーヴィー・ワンダーが伝えようとした音楽性の深さや多様性を知る上で貴重な一枚です。商業的な成功には恵まれなかったものの、その独創性や革新性は今なお多くのリスナーに影響を与え続けています。スティーヴィー・ワンダー自身のコメントにあるように、このアルバムは一部の難解さを抱えていますが、それが逆に彼の音楽の魅力となっているのです。音楽を愛する人々にとって、この作品は聴く価値のある重要なアルバムとなります。

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