アルフォンス・ド・ラマルティーヌ

アルフォンス・マリー・ルイ・ド・プラ・ド・ラマルティーヌ

アルフォンス・マリー・ルイ・ド・プラ・ド・ラマルティーヌ（1790年10月21日 - 1869年2月28日）は、フランスの卓越した詩人、作家、そして政治家として知られています。彼はロマン派の代表的な詩人であり、近代フランス抒情詩の礎を築いた人物でもあります。特に、彼の作品はヴェルレーヌや象徴派の詩人たちにも大きな影響を与えました。

ラマルティーヌは、フランス王国のマコンで貴族の家に生まれました。彼は初め一時期軍に勤務し、その後外交官としての道を歩むことになります。1825年から1828年にかけてイタリアに駐在した経験もあります。彼の詩は自己の恋愛体験から触発されたものであり、特に1820年に発表した『瞑想詩集』が評価されています。この詩集は年上の女性との出会いと死別の物語が反映されていると言われており、近代抒情詩の革新を感じさせる作品です。

彼はその後も『新瞑想詩集』（1823年）、『詩的宗教的諧調詩集』（1830年）といった詩集を次々に発表し続け、1832年にはアカデミー・フランセーズの会員に選ばれました。1830年の7月革命を契機に、彼は政治活動を始め、1833年には代議士に当選。その政治信条は王党派と社会主義派の中間的な穏健思想を持ち、理想主義を貫いていました。

ラマルティーヌは政治活動を行う傍ら、文学的な創作も続けました。小説としては『ジョスラン』（1836年）や『天使の失墜』（1838年）、また歴史書『ジロンド党史』（1847年）なども手掛けましたが、1840年代以降は政治活動に専念するあまり詩作は停止します。1848年の2月革命の際には臨時政府の外務大臣に就任するも、同年12月の大統領選ではルイ＝ナポレオン・ボナパルトに敗北。その後1851年のクーデターによって政界を引退します。

彼の晩年は経済的な困窮に見舞われ、多額の借金を抱えながらも、執筆活動を続けることになりますが、それらの作品は特に高く評価されているわけではありませんでした。1869年2月28日、パリで78歳で亡くなり、故郷であるソーヌ＝エ＝ロワール県サン＝ポワンの墓地に葬られました。

代表的な著書

ラマルティーヌの著作には以下のような作品があります。

詩集

• - 『父の家の窓』 (1816)
• - 『瞑想詩集』 (1820)
• - 『蔓日々草』 (1821)
• - 『ソクラテスの死』 (1823)
• - 『新瞑想詩集』 (1823)
• - 『ハロルドの巡礼の最後の歌』 (1825)
• - 『書簡体詩』 (1825)
• - 『詩的宗教的諧調詩集』 (1830)

小説

• - 『ジョスラン』 (1836)
• - 『天使の失墜』 (1838)
• - 『ラファエル』 (1849)

歴史書

• - 『ジロンド党史』 (1847)

紀行・回想録

• - 『東洋紀行』 (1835)

ラマルティーヌは、詩・小説・歴史書において幅広いジャンルで活動し、その影響は今なお色褪せることがありません。

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