アルフレード・グァリーニ

アルフレード・グァリーニ（Alfredo Guarini）は、1901年5月23日にイタリア、リグーリア州のジェノヴァに生まれた、多才な映画人でした。彼は監督、脚本家、そしてプロデューサーとして、イタリア映画界に長く貢献しました。その名は日本では、アルフレッド・グワリーニやアルフレード・グアリーニと表記されることもあります。

彼の映画界での活動が確認される最も初期の記録は、1935年にグイド・ブリニョーネが監督した映画『赤い旅券』において、プロデューサーとしてクレジットされたものです。これが彼のキャリアの出発点となりました。

私生活においては、1939年7月1日に著名な女優であるイザ・ミランダと結婚します。翌年の1940年には、妻イザ・ミランダを主演に迎えた映画『空もなく』で映画監督としての第一歩を踏み出しました。

その後、第二次世界大戦を経て、グァリーニは戦後イタリア映画の復興期において重要な役割を果たします。1948年に公開されたロベルト・ロッセリーニ監督の衝撃的な作品『ドイツ零年』では、ノンクレジットながら製作主任として現場を支えました。また、ルネ・クレマンが監督し、イタリアとフランスの合作として国際的に評価された『鉄格子の彼方』（1949年）では、脚本とプロデュースを手がけています。

1953年には、オムニバス映画『われら女性』の製作総指揮を務め、ロッセリーニやルキノ・ヴィスコンティといった巨匠たちと共に、自身もそのうちの一編（「Concorso 4 Attrici 1 Speranza」）を監督しました。この時期以降、彼は監督業からは徐々に距離を置き、主にプロデューサーとしての活動に専念するようになります。

キャリアの終盤にあたる1963年、彼は2本の剣戟アクション映画を手がけた後、映画製作の第一線から退きました。彼のプロデューサーとしての手腕は、多岐にわたるジャンルの作品で発揮されました。

アルフレード・グァリーニは、1981年4月6日にローマにて、79歳でその生涯を終えました。奇しくも、彼の死から約1年後の1982年7月8日に、妻イザ・ミランダも77歳で亡くなっています。

彼のフィルモグラフィからは、初期のプロデュース作品から監督作、そして戦後の著名な監督との協業や、晩年のプロデューサー専念に至るまで、その活動の幅広さがうかがえます。代表的な作品には以下のようなものがあります。

• - Passaporto rosso（『赤い旅券』, 1935年）- プロデューサー
• - Senza cielo（『空もなく』, 1940年）- 監督・原案
• - È caduta una donna（『ある女は堕落した』, 1941年）- 監督・脚本
• - Germania anno zero（『ドイツ零年』, 1948年）- 製作主任（ノンクレジット）
• - Le mura die Malapaga（『鉄格子の彼方』, 1949年）- 脚本・プロデューサー
• - Siamo donne（『われら女性』, 1953年）- 監督・脚本・エグゼクティヴプロデューサー・本人役出演（ノンクレジット）
• - Viaggio in Italia（『イタリア旅行』, 1954年）- プロデューサー（ノンクレジット）
• - Le gladiatrici（『女剣闘士たち』, 1963年）- プロデューサー

グァリーニは、表舞台で派手に活躍するタイプではありませんでしたが、プロデューサー、脚本家、そして監督として、イタリア映画の発展、特に戦後の国際的な評価を得た作品群において、その才能と手腕を発揮した重要な人物と言えるでしょう。

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