アルブレヒト6世 (オーストリア大公)

アルブレヒト6世：野心と策略に生きたハプスブルク家の大公

アルブレヒト6世（1418年 - 1463年）は、ハプスブルク家のオーストリア公であり、後に大公となりました。その生涯は、兄である神聖ローマ皇帝フリードリヒ3世との領土を巡る争いと、権力への野心に彩られています。

生涯

1418年、アルブレヒト6世はオーストリア公エルンスト（鉄公）の子として生まれました。1424年に父が亡くなると、叔父であるフリードリヒ4世が後見人となり、兄フリードリヒとともに所領を相続します。

1439年、叔父フリードリヒ4世と又従兄弟の皇帝アルブレヒト2世が相次いで死去。翌1440年、兄フリードリヒがアルブレヒト2世の後を継いでローマ王となると、アルブレヒト2世の遺児ラディスラウスの後見人にもなります。1452年に皇帝位についた兄フリードリヒは、1457年にラディスラウスが亡くなると、その遺領であるニーダーエスターライヒの領有権を主張し、アルブレヒトはこれに強く反対しました。

最終的に、1458年に兄弟間で取り決めが行われ、エンス川を境界として、以東のニーダーエスターライヒを兄フリードリヒが、以西のオーバーエスターライヒをアルブレヒトが支配することとなりました。

しかし、アルブレヒトの野心はこれで収まることはありませんでした。1461年6月にはニーダーエスターライヒに進軍し、1463年には兄フリードリヒ3世が不在の隙にウィーンで暴動を起こさせ、兄の妃エレオノーレと甥マクシミリアンを幽閉するという暴挙に出ます。急遽帰還したフリードリヒ3世を城内に入れずに追い払いましたが、その直後、アルブレヒト6世は急死しました。その死因は、苛政に対する暗殺であるとも伝えられています。子がいなかったため、所領はフリードリヒ3世が相続し、ウィーンへ戻ることができました。

人物像

アルブレヒト6世は、野心家であり、目的のためには手段を選ばない人物であったと考えられています。兄との領土争い、そして最終的には兄をウィーンから追い出すという行動は、その性格を如実に表しています。しかし、その急進的な政策は人々の反感を買い、暗殺という結末を迎えたとも言われています。

参考文献

エーリヒ・ツェルナー 『オーストリア史』 彩流社、2000年
瀬原義生 『ドイツ中世後期の歴史像』 文理閣、2011年

関連項目

* アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク

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