アルブレ家

アルブレ家：フランス貴族の名門、その歴史と系譜

アルブレ家（Maison d'Albret）は、中世にランド・ド・ガスコーニュ地方のアルブレ（現在のフランス、ラブリ）を領有したフランス貴族の家系です。その起源は古く、地方の紛争の中で頭角を現し、勢力を拡大していきました。

歴史

アルブレ家は、当初イングランドを支持することもあったものの、後にフランス王家を支持するようになります。アルブレ領主アルノー＝アマニューは、フランスがギュイエンヌ地方をイングランドから奪還する際に貢献しました。その息子シャルル1世は、フランス軍の総司令官に任命され、1415年のアジャンクールの戦いで戦死しました。

アラン大卿（1522年没）は、ブルターニュ公女アンヌとの結婚を望み、フランス王シャルル8世と対立しましたが、最終的にアンヌはオーストリア大公マクシミリアン1世と婚約し、1486年にナントをフランスに明け渡しました。

アルブレ家は、フランス王家から与えられた豊富な領地により、地域において重要な地位を確立していました。アラン大卿の息子ジャン・ダルブレは、ナバラ女王カタリナと結婚し、ナバラ王となりました。その息子であるナバラ王エンリケ2世は、1550年にアルブレ公とされ、フランス同輩公（Pairie de France）に列せられました。エンリケ2世は、フランス王フランソワ1世の姉であるマルグリット・ダングレームとの間に、一人娘ジャンヌ・ダルブレをもうけました。ジャンヌ・ダルブレは、ヴァンドーム公アントワーヌ・ド・ブルボンと結婚し、後のフランス王アンリ4世の母となりました。

アンリ4世がフランス国王に即位したことで、アルブレ公領はフランス王領に統合されました。その後、1651年にスダンおよびロクールと引き換えに、ラ・トゥール・ドーヴェルニュ家（ブイヨン公）に与えられました。

アルブレ家の支流に属していたジャン・ダルブレ（オルヴァル領主、ドルー伯、ルテル伯、シャンパーニュ総督、1524年没）は、フランソワ1世のもとで数々の外交交渉に携わりました。特に、1519年の皇帝選挙においてフランソワ1世が選出されるよう尽力しました。

歴代アルブレ領主

アマニュー1世（fl. 1050年、1060年没）
アマニュー2世（fl. 1096年、1100年没）
アマニュー3世（fl. 1130年）
ベルナール1世（fl. 1140年）
アマニュー4世（fl. 1174年、1209年頃没）
アマニュー5世（1255年没）
アマニュー6世（1270年頃没）
ベルナール＝エジ1世（1270年 - 1281年）
マテ・ダルブレ（1281年 - 1295年）
イザベル・ダルブレ（1295年 - 1298年）
アマニュー7世（1298年 - 1324年）
ベルナール＝エジ2世（1324年 - 1358年）
アルノー＝アマニュー（1358年 - 1401年）
シャルル1世・ダルブレ（1401年 - 1415年）
シャルル2世・ダルブレ（1415年 - 1471年）
ジャン1世・ダルブレ（1471年以前没） - 父に先立ち死去したためアルブレ領主とならず。タルタ子爵ジャン1世として知られる。
アラン・ダルブレ（大卿）（1471年 - 1522年）
ジャン2世・ダルブレ（1516年没） - ナバラ王フアン3世
アンリ1世・ダルブレ（1522年 - 1555年） - ナバラ王エンリケ2世
ジャンヌ・ダルブレ（1555年 - 1572年） - ナバラ女王フアナ3世
* フランス王アンリ4世（1572年 - 1610年）

紋章

(紋章に関する記述は省略)

アルブレ家は、フランスの歴史において重要な役割を果たした貴族であり、その血筋はフランス王家にも繋がっています。

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