アルペッジョ

アルペッジョとは

アルペッジョ（またはアルペジオ、伊語でArpeggio）は音楽で非常に特別な演奏技法です。この手法は和音を構成する各音を、一つずつ低音から高音へ、またはその逆に弾いていくことで、立体的な響きやリズム感を付与します。また、日本ではこの技法はコードを押さえた状態で弦を一本ずつ演奏すること全般を指すこともあります。特に、余韻が長く響く鍵盤楽器や撥弦[[楽器]]でこの技法は多く用いられ、一般的に管楽器ではあまり使用されません。日本語では「琵音」とも表現されます。

概要

アルペッジョは分散和音の一種と位置付けられますが、これは必ずしも低音から高音へと順番に発音されるというわけではありません。例えば「ドミソド」といった音が順番に演奏されるものと、「ドソミソ」のようなランダムな音の組み合わせは、厳密にはアルペッジョとは認識されません。とはいえ、実際の音楽制作や演奏においては「分散和音」と「アルペッジョ」はしばしば混同されます。

アルペッジョの記譜方法は、楽譜に波線を追加したり、音符の上に「Arpeggio」と表記することで明示されます。演奏方法には二つの主なアプローチがあります。一つは楽譜に記された最初の音を、他の音の演奏よりも遅らせて発音する奏法、もう一つは最初の音を記譜位置よりも前に出して全体の和音を鳴らす奏法です。

また、音楽機器の中にはアルペッジョ機能を持つものも存在します。例えば、ローランドのジュピターシリーズやヤマハのエレクトーンでは、コードの根音を押さえることで自動的にそのコードのアルペッジオが演奏される「オートアルペジオ」機能が装備されています。

ギターにおけるアルペッジオの演奏

ギターにおいては、アルペッジョのテクニックが特に印象的に表現されます。左手で弦を押さえる場合に、右手の親指、人差し指、中指、薬指の四本を使って弦を奏でます（逆に右手で押さえる場合は左手が弾き手となります）。親指は「p」、人差し指は「i」、中指は「m」、そして薬指は「a」という符号が付けられ、それぞれ特定の弦に対応しています。通常、親指は6弦から4弦を、そして人差し指が3弦、中指が2弦、薬指が1弦を担当することが多いです。弦を弾く方向は、外側から内側に向かう形で、6弦と4弦は下方向に、3弦から1弦は上方向に弾かれます。

ストローク奏法とは対照的に、アルペッジオは弦を一本ずつ確実に指の爪で弾くため、より繊細で情感にあふれた音色が引き出されます。このように、アルペッジョは音楽の表現に多くの深みと豊かさを与え、聞く人々に強い印象を残す技法となっています。

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