アルマース (宇宙ステーション)

アルマース（Almaz）について

アルマースは、ソビエト連邦が開発した軍事目的の宇宙ステーションです。ロシア語で「ダイヤモンド」を意味するこの名称は、プロジェクトの重要性を象徴しています。1971年から1978年にかけて、アルマースは民間用宇宙ステーションサリュートとして偽装され、サリュート2号、3号、5号として打ち上げられました。

開発の背景

アルマースの開発は、アメリカの有人軌道実験室に対抗する形で進められました。その中心となったのは、ウラジミール・チェロメイと呼ばれる技術者です。最初の打ち上げは、チェロメイが設計したUR-500プロトンロケットによって行われ、ステーションは最大60日間の運用を目指して取り組みました。また、アルマースは新規の乗組員を受け入れるためのドッキングポートを装備しており、必須の物資やフィルムをすぐに地球に送り返す能力を有していました。

軌道有人ステーション（OPS）

アルマースの基本的な設計は、直径4.15メートル、重さ20トンの規模であり、1965年から1970年までに8つの試験モデルが製造されました。実際に行われた5回のミッションのうち、成功したのは2回で、合計81日間の宇宙滞在時間が記録されました。

各OPSの紹介

• - OPS-1（サリュート2号）: 1973年に打ち上げられるも、内部の事故により運用を断念。
• - OPS-2（サリュート3号）: 1974年に成功したミッションで、乗組員が15日間滞在。無人時に遠隔で機関砲が発射されるという試みも行われました。
• - OPS-3（サリュート5号）: 1976年に打ち上げられ、夏と冬にそれぞれ乗組員が訪問。
• - OPS-4: 次の計画として提案されたが、有人計画の中止により実現せず。

防衛機能

アルマースは偵察用機器に加えて、NR-23機関砲を搭載しており、遠隔操作によるファイアリングが可能でした。この能力により、サリュート3号は目標衛星を狙撃することにも成功しました。

アルマース-T（無人機）

アルマース計画が終了した後、ステーションは無人の偵察衛星として再編成されました。3機が打ち上げられ、そのうちの2機が軌道に成功しました。

• - コスモス1870号: 1987年に成功裏に投入され、2年間の運用を行いました。
• - アルマース-1: 様々な問題により短命に終わりました。

このように、アルマースはソビエト連邦における宇宙研究の歴史において重要な役割を果たしました。さらに、サリュート、ミール、国際宇宙ステーションなどの後の宇宙ステーションの設計や運用に影響を与えました。

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