アル・アトキンス

アラン・アトキンス

アラン・ジョン・"アル"・アトキンス（Alan John "Al" Atkins）は、1947年10月14日にイギリスのウェストブロムウィッチで生を受けたミュージシャンです。特に、ヘヴィメタルというジャンルにおいて後世に多大な影響を与えたバンド、ジューダス・プリーストの創設者として知られています。

若き日のアトキンスは、1960年代を席巻したビートルズやローリング・ストーンズといったバンドから大きな刺激を受け、16歳になる頃には学友たちと最初のバンド活動を始めます。音楽への情熱は次第に本格化し、ブルーノ・ステーペンヒルやアルバート・ヒントンといった仲間と共に「ザ・リアクション」を結成。ここではボーカリストを務めつつ、ドラムも兼任するという形で音楽キャリアを積みました。

ザ・リアクション解散後、アトキンスとステーペンヒルはジョン・パートリッジらを加えて「ザ・シュガー・スタック」を結成しますが、このバンドは約1年で活動を終えます。しかし、彼らの音楽探求は止まることなく、アトキンスとステーペンヒルは、バリー・シビルやジョンとジムのペリー兄弟らを迎え入れ、「ハーフ・ブリード」を結成します。このバンドは後に「チャプターズ・オブ・ライフ」、そして最終的に「ザ・ジャグ・ブルース・バンド」と名を変えながら活動を続けました。

音楽の旅を続ける中で、1969年、アトキンスはステーペンヒル、そしてかつて共に活動したジョン・パートリッジとジョン・ペリーと共に、バーミンガムで歴史的なバンドを結成します。これが、後にヘヴィメタルの金字塔を打ち立てるジューダス・プリーストの誕生です。アトキンスはバンドの初期ボーカルとして活動を牽引しますが、彼には妻と幼い娘を養うという現実的な責任がありました。そのため、音楽活動と仕事の両立が困難となり、1973年5月、彼はプロの道を一旦離れ、安定した生活を選ぶためにジューダス・プリーストからの脱退を決断します。彼の後任として加入したのが、後にバンドの象徴となるロブ・ハルフォードでした。皮肉なことに、アトキンスが脱退した時点で、結成当初のオリジナルメンバーはバンドに残っていませんでした。ブルーノ・ステープンヒルとジョン・パートリッジは1970年にバンドを去り、ジョン・ペリーは結成間もない1969年に亡くなっていたからです。

ジューダス・プリーストを離れた後も、アトキンスの音楽への情熱が完全に消えることはありませんでした。彼はソロ名義での作品発表を始め、自身の音楽性を追求します。また、新たなプロジェクトにも積極的に参加し、2010年には「ホーリー・レイジ」としてアルバムをリリース。さらに、2012年にはギタリストのポール・メイとタッグを組み、「アトキンス・メイ・プロジェクト」を結成し、複数の作品を発表するなど、現在に至るまで精力的な活動を続けています。2011年には、ヘヴィ・メタル・オペラ作品「ライラカ」へのセッション参加も報じられました。

主なディスコグラフィー

ソロ名義:

Judgement Day (1990)
Dreams of Avalon (1991)
Heavy Thoughts (1994 / 2003年再リリース)
Victim of Changes (1998)
Demon Deceiver (2007 / 2009年再リリース)
Reloaded (2017) - セルフカバー集

ホーリー・レイジ:

Holy Rage (2010)

アトキンス・メイ・プロジェクト:

Serpents Kiss (2011)
Valley of Shadows (2012)
Empire of Destruction (2014)
Anthology (2015) - コンピレーション
The Final Cut (2020)

ゲスト・セッション:

* Lyraka Volume 2 (未発表)

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