アルーシャ州

アルーシャ州の概要

アルーシャ州は、タンザニアの北部に位置し、多様な文化や自然景観で知られる重要な地域です。この州は、面積86,100 km²、人口約129万人（2002年）を有し、州都は同名の都市アルーシャです。住民はスワヒリ語や各部族の言語を話し、多くの人が英語も使用しています。特に、マサイ族がこの地域で大きな影響力を持っています。

地理的特徴

アルーシャ州は、乾燥したサバンナ草原と緑豊かな山岳地帯、湖が共存する美しい地理的環境が特徴です。高度4,655 mのメルー山は、タンザニアで2番目、アフリカ全体では5番目に高い山で、周囲はアルーシャ国立公園として保護されています。この州の中心を南北に走るグレート・リフト・バレーには、ナトロン湖、エヤシ湖、マニャラ湖といった湖も存在し、自然環境の多様性を物語ります。

西部にはセレンゲティ平原が広がり、セレンゲティ国立公園の一部として認識されています。また、ンゴロンゴロ・クレーターを含むンゴロンゴロ自然保護区も隣接しており、これらの地域は世界的に有名な観光地となっています。特にキリマンジャロ山と並んで訪れる観光客が多いスポットです。

人口とその変遷

1990年代には、アルーシャ州の一部が分割されマニャラ州が設立されました。1988年の人口は約134万人で、そのうちアルーシャ州に相当する地域は約74万人でした。2002年にマニャラ州が設立された後の人口は約128万人でしたが、近年は周辺地域からの移住者が増加し、人口が増えている傾向があります。

産業と経済

農業がこの地域の主要な産業であり、特に2002-03年度にはトウモロコシとインゲンマメが多く栽培されています。バナナは地元の主食として広く消費され、メルー山の麓ではコーヒーの栽培も行われ、輸出品として重要な役割を果たしています。このように、アルーシャ州は農業を基盤にした経済活動が盛んな地域です。

交通インフラ

交通面においては、キリマンジャロ国際空港がアルーシャ州の東部に位置し、アルーシャ市とモシの中間に位置します。この空港は旅行者やビジネス利用に便利で、多くの航空会社が利用しています。他にもアルーシャ空港が小規模ではありますが、存在しています。

州内の交通網は主に道路に依存しており、未舗装の道路が大半を占めていますが、3つの主要な高速道路は舗装されています。ナイロビ・ロードは、キリマンジャロ国際空港からアルーシャを経由してケニアの首都ナイロビに至ります。ドドマ・ロードはアルーシャからモンジュリを通ってドドマへ向かいます。最後の新しい高速道路は、ドドマ・ロードからンゴロンゴロ・クレーターへとつながり、多くの旅行者に利用されています。

ただし、アルーシャ州は内陸部に位置し、可航河川がありません。したがって、水上交通はほとんど利用されていません。

行政区画

アルーシャ州にはいくつかの下位行政区画があります。これには、アルーシャ地区、カラツ地区、ロンギド地区、メル地区、モンドゥリ地区、ンゴロンゴロ地区が含まれます。これらの行政区画は、州内での行政機能を助ける役割を果たしています。

アルーシャ州は、その豊かな自然資源と文化的背景により、タンザニアでも特に注目される地域です。観光、農業、交通の面で多様な魅力を持つこの州は、今後も発展する可能性を秘めています。

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